今回は、絵本作家でイラストレーターの堀川 波(ほりかわ・なみ)さんに「モダン刺し子」の作り方を教えてもらいました。
四つ葉のクローバー
袋の裏は少し変えて
布にステッチをして強度を持たせる刺し子。
図柄によっておしゃれな小物になります。
今回は、刺しゅうのステッチを加えて、どこにもない巾着袋にしました。
生地を濃色にし、白糸で刺すと、モダンな刺し子のできあがりです。
ご紹介したのは巾着袋ですが、トートバッグや眼鏡ケース、ランチョンマットなどの小物に応用できます。
図案を使って刺し子をし、いろいろなものに仕立ててみてください。
上:バラとりんごの庭/下:リボンを結んだ花
用意するもの
【巾着袋(できあがり16.5×14cm)】
ハリのある布(麻布など)...
ひも・口布:45×12cm1枚
表・裏布:32×16cm2枚
刺し子糸、刺し子針、はさみ
【図案を移す道具】
ボールペン、チャコペンシル、チャコペーパー、定規、丸テンプレート定規、メンディングテープ
濃色の布には白のチャコが向きます。薄い色の布の場合、線が見えるチャコを使いましょう。
図案を移す
1.布にチャコペーパー、図案の順に重ねてテープで留める。
2.図案の中で直線部分を先に定規を使って写す。
3.直線部分が写せたら、中心に入る丸を丸テンプレートで描く。このとき、四角で囲まれた中心に印をつけ、これを目印に丸を描くと図案通りになる。
4.ステッチの境目となる部分は、定規で線を引いておく。
5.図案が写せた。色の薄いところは、なぞって消えないようにしておく。
巾着袋のぬい方
1.表布を裁断して刺しゅうし、裏布、ひも、口布を裁断する
2.口布の両脇をぬい裏布に仮留めする
3.表袋と裏袋を作る
4.裏袋の中に表に返した表袋を入れ上辺をぬう
▼表に返し裏袋の返し口をとじる
5.ひもを作り巾着に通す
《ステッチの刺し方》
ランニングステッチ
並ぬいでスペースを埋める刺し方。
1.針に刺し子糸を通して片端を玉結びにし、布に刺す。出てきたら、2〜3mm先に針を入れて布をすくう。
2.2〜3mm幅の並ぬいをする。
3.折り返して、糸が出ている部分が交互になるように刺していく。
チェーンステッチ
針に糸をかけることで、鎖のような形になるステッチ。
1.針に刺し子糸を通して片端を玉結びにし、布に刺す。出てきたところの近くに針を刺して、3mmほど布をすくう。
2.出ている針先に糸をかけて引き抜く。
3.輪の中に針を入れて布をすくい、糸をかけて引き抜く。
4.これを繰り返す。最後は輪の外側に針を刺してとめる。
フレンチナッツステッチ
刺し終わりの玉どめと同じ。針に糸を巻き、引き抜く。
1.針に刺し子糸を通し、片端を玉結びにして布に刺す。針に糸を4回ほど巻き付ける。
2.巻き付けた糸を寄せて小さくする。
3.糸が出ているところの近くに針を刺して引き抜く。このとき、下にタオルなどを敷いて刺すときれいな丸に仕上がる。
ドットステッチ
中心から放射状に刺して円にする。
1.図案の円に十字を描いて中心を決める。
2.外側から中心より少し手前に向かって針を刺す。
3.縦と横の糸の間に2本入るように放射状に刺す。
4.1周刺したら、中心から糸の間に刺していく。
ドーナツステッチ
ドットステッチと同じだが、中心を空けて刺す。
1.図案の円に十字を描く。
2.外側から中の円の縁に刺す。
3.縦と横の糸の間に2本入るように刺していく。
4.さらに糸と糸の間に1周刺す。
刺し方をマスターしたら、いろいろ楽しんでみましょう
一面に刺して額に入れる。
上の写真の作品は、額に入れるとステキな飾りになりました。
また、下写真のコースターは、1つのステッチだけを並べて刺したもの(左2点)と、チェーンステッチのひし形の枠に、フレンチナッツを円状に刺したものです。
ステッチを覚えると、オリジナルの図柄を作ることもできます。
ステッチを楽しむコースター。
撮影/原 務 イラスト/堀川 波