暑かった夏が過ぎ、爽やかな風が吹く初秋。きもの地のワンピースでおしゃれをしませんか? 今回はきもの地を横向きにぬい合わせた「パフスリーブのゆったりワンピース」の作り方を解説します。

岡本さんのデザイン画。自分が着た姿をイメージしながら描きました。
下の写真から分かるように、ワンピースは、ほどいた四角いきもの地を横向きにぬい合わせるデザイン。

横向きにぬい合わせた生地は、上からきものの身頃3枚とおくみ1枚。袖口にギャザーを寄せてふんわり仕上げます。
左の袖から身頃、右の袖口まで1枚布で、ポイントのパフスリーブを袖付けせずに簡単に作れます。
身幅がたっぷりで、きもの地に包まれるように安心して着られるのも魅力。
リボンを脇で結ぶと、裾に向かってゆるやかに広がり、きれいなラインが出ます。
着やすいプルオーバータイプ

後ろ身頃のえりぐり上部に切り込みを入れてあるので、脱着がらく。ファスナー付けの手間もいりません。
脇のリボンを結びます

リボンは前・後ろ身頃にぬい留め、着る際に脇で結びます。自分のサイズに合わせられるのでゆったりと着られます。
スカートは歩きやすいたっぷり幅

スカートの裾回りは約174cm。颯爽と歩いても生地が足にまとわりつきません。丈は好みで変えましょう。
柔らかいドレープがすてき
ウエストサイズを気にせず着られます

きものは総柄の小紋。着たときのとろみ感は、滑らかな素材ならではです。袖は好みでもっと長く、あるいは短くしてもかまいません。着用しているのは作者・岡本孝子さん。
丈を短くすればブラウスになります

シンプルなパンツと合わせるとブラウスのきもの地が映えてすてき。絹の高級感も際立ち、フォーマルな席にも似合います。
きものの身頃を横向きにぬい合わせました

きものの身頃を2枚使っています。左の袖口から身頃、右の袖口までは1枚布。袖付けなしで仕上げています。
このブラウスは上のワンピースをアレンジしたもの。
スカート部分を除いて丈を短くしています。
作り方の工程はスカート部分以外同じですが、きもの地の色柄の違いもあって全く違う雰囲気。
これもまたきものリフォームの楽しいところです。
ワンピースより短く、ブラウスより長くして、チュニック風に仕上げてもいいですね。

自身の自宅兼アトリエでミシンに向かう岡本孝子さん。ワンピースもここから生まれました。
作ってみましょう
ワンピースの原形に使うのは、きもの地の身頃3枚とおくみ1枚。
生地幅を生かして左図のように裁ち、計4枚をぬい合わせます。

材料
きもの...1枚(袷でも単衣でもかまいません。袷を使う場合は裏を外します)
スナップボタン...直径1cm1組
できあがり寸法
ウエスト最大124cm、着丈116cm
まず、きものをほどきます

ぬい目をほどき、下図のような四角い布に戻します。ぬい目を力まかせに引っ張ると、きもの地が一緒に破れてしまうことも。糸を一目ずつ丁寧に切っていきます。
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四角い布に戻したところ。ワンピースはほどいたきものの身頃とおくみ、袖を使って作ります。
きもの地を裁ちます
きものの身頃とおくみを横向きにして各パーツを裁ちます。

ぬっていきましょう
1 . リボンを作る

2 . 前・後ろ身頃のタックをぬう


3 . 肩をぬう

4 . スカートをぬう


※身頃の裾幅を測り直して、スカートのウエストの寸法と合わせましょう
※後ろスカートも同様にぬう
5 . 前・後ろ身頃とスカートをぬい付ける

※後ろ身頃と後ろスカートも同様にぬう
6 . 袖下から脇をぬう

※反対側も同様にぬう
7 . 袖口をぬう



8 . 後ろ見返しを付けて、えりぐりをぬう

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9 . 裾をぬう

構成・取材・作図/飯田充代 撮影/木下大造 スタイリング/岡部久仁子 イラスト/小池百合穂




