各選手のソロのプログラムも見応えのあるものばかりだった。
北京五輪を控え、どの選手も素晴らしいプログラムを作り上げてきていた。
印象に残った演技をいくつか挙げると、まずは松生理乃。
ショーでありながら果敢に挑戦したトリプルアクセルこそミスをしたが、それ以外は抜群の安定感で素晴らしい演技を披露した。
今季の飛躍を確信できる仕上がりだ。
鍵山優真は更に磨かれたスケーティングに加え、4回転ジャンプが実に"素軽い"。
この軽々と跳ぶ感覚は、昨シーズンにはなかったものだ。
大きな成長を感じる。
友野一希は練習ではおちゃらけて周囲を和ませていたが、演技に入ると魂のこもった表現で観客を魅了し、その落差が実に魅力的だ。
彼もジャンプは確実に進化している。
三原舞依は、完全復活をアピールする演技だった。
昨シーズンに比べ力強さが増した印象だ。
宇野昌磨は、「自分は座長ではない」と謙遜していたが、しっかりとリーダーシップを発揮し、ショーをまとめた姿は印象的だった。
新プログラムの"マイケル・ジャクソン"は、今回も魅力的だったが、更に進化する余地がありそうだ。
北京五輪の舞台で演じられる可能性もある。どんな仕上がりになるのか楽しみだ。
今年はどのアイスショーも日本人スケーターのみで開催されており、メンバーも似通ったものになっているが、その中で今回のTHE ICEは、企画力、演出力で頭一つ抜きん出た出来栄えだった。
海外スケーターを招聘できない時期だからこそ、ショーとしての底力が大きく表れたように思う。
改めてTHE ICEの素晴らしさを感じたと同時に、来年こそは新型コロナ禍が落ち着いて、以前のような規模のイベントに戻り、多くの観客に会場に足を運んでもらえることを今から願ってやまない。
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取材・文・撮影=取材・文=中村康一(Image Works)