宇野昌磨、山本草太、そしてネイサン・チェンが躍動! 2015年世界ジュニア選手権プレーバック

フィギュアスケートはシーズンオフの時期ですが、ファンに向けて過去の大会のプレーバックをお届けします。今回、取り上げるのは2015年の世界ジュニア選手権。当時17歳の宇野昌磨が圧巻の演技を見せ優勝し、山本草太も3位入賞と日本勢が大活躍した大会です。現地で取材したスポーツ写真家、中村康一氏が、初公開の写真とともに振り返ります。

写真はこちらでチェック→【初公開写真が多数!】写真で振り返る2015年世界ジュニア選手権【画像多数】


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フィギュアスケートの過去の大会から、今回は2015年、エストニアのタリンで開催された世界ジュニア選手権をご紹介する。

この大会では特に男子シングルが注目を集めた。

日本の宇野昌磨が優勝、山本草太が3位とダブル表彰台を果たしたことが鮮明に思い出されるが、若き日のネイサン・チェンがその才能の片りんを見せてくれたことも印象的だった。

ネイサン・チェンはこの時、怪我の影響から真価を発揮することが出来ずに表彰台を逃したのだが、その後の活躍は言うまでもない。

当時、さほど注目を集めていなかったこともあり、この試合でのネイサン・チェンの写真は貴重なものだ。

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男子シングルは、戦前から宇野昌磨が優勝候補と目されていた。

しかし、山本草太、ボーヤン・ジン、ネイサン・チェン、更にロシアのペトロフ、ピトキーエフなど、多士済々のメンバーが揃っていたため、圧倒的な一番人気というわけではなかった。

ネイサン・チェンは、ジュニア時代は怪我が多く、試合で実力を発揮できないケースが多かったが、その潜在能力は当時から認められていて、「フィジカルがしっかりすれば世界チャンピオンを狙える選手」との評価を得ていた。

そしてボーヤン・ジンは、この頃には既に複数の4回転ジャンプを習得。

この試合でもフリーでは素晴らしい演技を披露し、後に滑る宇野昌磨にプレッシャーをかけることとなった。

宇野昌磨は、ショートでは圧巻の演技を披露、当時のジュニア男子としては最高得点となる84.87をマーク。

このまま順当に優勝するかと思われたのだが、フリーではミスが多く、演技終了後には「もしかしたら優勝を逃したのでは?」と危惧したことを覚えている。

実際、フリーのTESではボーヤン・ジンに19.48という大差を付けられたのだが、やはり当時から高い評価を得ていたPCSでの優位とショートの貯金は大きく、何とか逃げ切ることができた形だった。

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山本草太は、2014年12月のジュニアグランプリファイナルで宇野昌磨とワンツーを決める活躍を見せていた。

当然ここでも期待を集めたのだが、ボーヤン・ジンには届かず3位となる。

しかし世界ジュニア選手権において、日本男子のダブル表彰台は史上初の快挙だった。

この年でジュニア卒業が既定路線だった宇野昌磨に代わり、翌年はジュニアのエース格としての活躍が待っていると、誰もが信じて疑わなかった。

しかし、優勝を目指した2016世界ジュニア選手権への出発の日、悪夢が彼を襲う。

出発前、最後の練習で右足首を骨折。それから長い休養に入ったエピソードはフィギュアファンならば良くご存じだろう。

昨年は思うような活躍を見せられなかったが、先日出演したスターズ・オン・アイスではジャンプの調子を取り戻し、復活の兆しを見せてくれた。

来季の復活を期待したいものだ。

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撮影=中村康一(Image Works)
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