動物と生活することは、大変なことも多いですが、その分より多くの幸せを感じられますよね。そこで、愛犬家の浅田美代子さん、藤田朋子さん、愛猫家の田中要次さんに、犬や猫との暮らしについて伺いました。今回は、4頭の保護犬と暮らしている浅田美代子さんのインタビューをお届けします。
「犬たちにはこれまで何度も救われました」
浅田美代子さんと愛犬 アヴィ(雑種 推定16歳/メス) COO(雑種 推定8歳/オス)
与作(雑種 推定6歳/オス) カル(チワワ 推定13歳/オス)
犬がいたから悲しみを乗り越えられた
子どもの頃から犬が大好きで、現在は4頭の保護犬と暮らしている浅田美代子さん。
これまでずっと犬と暮らしてきて、良いときも悪いときも、いつも側にいてくれたのは犬たちだったと浅田さんは言います。
「今回のコロナの自粛期間も、愛犬たちの存在がどれほど精神的な助けになったか分かりません。一緒に暮らしていた母が亡くなったときも、いちばん力になってくれたのは、当時飼っていた犬の桃太郎と柑太郎だと思っています。
引きこもりがちだった私を、散歩で外に連れ出してくれました。外の空気や道端に咲いている草花に季節を感じて、犬たちにごはんを食べさせるなどの世話をすることによって、少しずつ悲しみから立ち直ることができたのです。
以前から保護犬の存在は聞いていたので、柑太郎が亡くなってから保護犬についていろいろと調べました。そうして、放浪犬だったアヴィ、多頭飼育されていたCOO、悪徳繁殖業者の所にいた与作、外飼育されていたカルを、順番に引き取ったのです」
「朝早く起きて犬の世話をします」
「犬を迎える選択肢として、『保護犬』という存在がいることを知ってほしいです」
「犬は愛情をかければ理解して応えてくれる。ずっと3歳児みたいで、かわいいです」
「アヴィは自己主張強め、COOは怖がり、与作は我関せず、カルはマイペースな性格です」
暮らしの真ん中に犬たちがいる
浅田さんは、犬たちの年齢や体調を考えた上で、世話の仕方を工夫していると言います。
「仕事に出かける2時間半前には起きて、犬たちの散歩と食事などの世話をします。犬の歩く速度が違うのでヤングとシニアに分けて朝晩2回、計4回の散歩が日課です。
食事は、療法食、老犬用フード、成犬用フード、胃腸の働きを良くするフードというように、4頭が違う種類のフードを食べています。チワワのカルはウチに来る前はやせていたけど、よほどいまのフードがおいしいのか、おねだりするほど食欲旺盛です。
仕事が終わると、犬たちの待つ家にまっすぐに帰宅。夜8時くらいまでに帰れる場合は自分で犬たちの世話をしますが、それ以降になるときは、ドッグシッターをしている妹に世話を頼んでいます。一度家に戻ると改めて外出したくはなくなるので、仲間とごはんに出かけることは少なくなりました」
浅田さんにとって犬たちの存在や共に過ごす時間は、自身の成長を感じられる大切なものだそうです。
「私はみなさんがよく言う『犬に癒されている』という表現が、あまり好きではありません。私は犬たちに救われているし、いろいろなことを教えられています。犬との暮らしは楽しくて気付きが多く、私自身の成長につながっています」
取材・文/マルヤマミエコ 撮影/天野良子(TRON)