あなたの心、読みます。ブックテスト~タネあかし編 かんたんマジック(11)【連載】

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マジック13「あなたの心、読みます。ブックテスト」とは?

観客から2冊の文庫本を借ります。1冊を観客が持ち、もう1冊をマジシャンが持ちます。マジシャンの本をパラパラ弾いていってストップをかけ、そのページと同じページを観客の本でも開いてもらいます。そのページの最初に書いてある単語を、マジシャンは一切見ずに言い当てます。

●難易度・・・簡単
●演技時間・・・約3分




マジック13あなたの心、読みます。ブックテスト」のタネあかし

まず文庫本を1冊借ります。借りた文庫本をパラパラとめくりつつ、その文庫本のタイトルや作者などについて軽くコメントします。そこで思い出したように「あ、もう1冊必要でした。他の方からも1冊お借りできますか?」と言います。

 

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もう1冊の本を観客が探している間に、最初に借りた本を何気なくパラパラとめくりながら、ページの最初に分かりやすい単語があるページを探し、その単語とページ数を密かに記憶してしまいます。「156ページ......『対人関係』」など。
この作業は非常に大胆ですが、観客はまだマジックは始まっていないと思っているので、見られても問題ありません。堂々と、かつ確実に行ってください。
単語を記憶するのが大変
だったり、ページの最初に単語が来ていなければ、最初の1文字を記憶するだけでもかまいません。

 

もう1冊の文庫本を受け取り、同じようにタイトルや作者などに軽くコメントします。


両手に1冊ずつ本を載せ、手伝ってくれる観客に向かって「どちらかの本を指差してくだい」と言います。くれぐれも「選んでください」と言わないように。


観客が1冊目(=先ほど単語を覚えた本)を指差した場合は、観客に1冊目を渡し「ではこちらをお持ちください」と言い、6に続けます。
2冊目を指差した場合は、「では、こちら(2冊目)をこのように弾いていきますので......」と言いながら、6の動作に続けます。この場合は1冊目にはまだ触れません。

 

6「こちらの本をパラパラと弾いていきますので、お好きなところでストップ! と言ってください」と言い、2冊目のページをパラパラと弾きます。観客がストップと言ったところで止め、そこでページを開きます。ただし、ページ数が自分にしか見えないように、大きく開き過ぎないようにします。開いたページ数が何ページでも「156ページです」と、先ほど覚えたページ数を言います。ここは当然のようにさらりと言ってください。

 

7「そちらの本でも156ページを開いてください」と言いながら、自分の持っている2冊目は閉じてしまいます。観客が目的のページを開いたら「そのページの最初の単語を確認してください」と言います。もちろん観客は、演者が最初に覚えた単語を見ているはずです。あとは、その単語に応じて少しずつ核心に迫るようにして当てていきます。
「対人関係」ならば、「漢字ばかりの言葉のようですね」「漢字は4文字くらい連続していますね」など。

※観客が1人の場合は、7のように演技し、最後に「分かりました。ずばり『対人関係』ですね」と、口頭で当ててもよいのですが、たくさんの人に見せるときには次のようにすると効果的です。

メモ帳とマーカーペンを用意しておきます。観客の心を読む演技をしながら、その単語をメモ帳に大きめに書きます。書き終わったら、覚えた単語が何だったか、観客に大きな声で言ってもらいます。それを聞いた後にゆっくりメモ帳に書いた文字を見せます。このようにすると、周りの観客も当たったかどうかが同時に認識でき、盛り上がりやすくなります。

【魅せ方のポイント】
情報を小出しにする
最後に単語を言い当てるとき、いきなり「答え」を言って終わることも出来るのですが、ここではきちんと「情報を小出しに」しながら当ててみてください。それには2つほど理由があります。
1つは、リアリティを持たせるため。このマジックは基本的に「相手の心を読んだ」という演出ですので、最初から知っていたようにいきなり答えを言ってしまうと「タネや仕掛けを使って、簡単に知っただけなんだろうな」と思われてしまいます。
私がよく使うのは、「あえてヒントをもらう」という作戦。「156ページを開いてください。そのページは文字で始まっていますか? イラストだけではないですか?」「その最初の単語は、漢字ですか? ひらがなですか? それだけ教えてください」など、観客に聞いてしまいます。もちろんその単語が漢字かひらがなか、演者は知っていますが、あえて質問するとよりリアルに見えます。
2つめは、観客の感情をコントロールするためです。「当たる」という最終ゴールに向けて、少しずつ外堀から埋めていく過程で、「まさか......でも難しいよね」「もしかして本当に当たるのかな」「お、かなり近くなってきた!」など、観客の気持ちが動く時間を作ることが出来るのです。
このマジックもうまく行うと本当に読心術が行われたような雰囲気になります。あくまでトリックだということはわきまえた上で、ぜひ試してみてください。

日向 大祐(ひゅうが・だいすけ)

マジックエアリスト。東京大学工学部卒、同学大学院環境学専攻修士。観客の目の前で見せるクロースアップマジックを中心に、会員制レストランや企業パーティー等で活躍。2009年、イギリスで開催された「Blackpool Magic Convention」にて優勝、日本人初の欧州チャンピオンに輝く。同年、マジックのオリンピック「FISM」日本代表。

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(日向大介/KADOKAWA)

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この記事は書籍「3分で心をつかむかんたんマジック」からの抜粋です。
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