マジック10「運命でつながっている!?双子の割り箸」とは?
割り箸を割り、片方を観客に持ってもらいます。もう片方をライターであぶって焦がしてから、観客の持っている箸を確認すると......観客の箸のほうも同じように焦げています!
●演技時間・・・約2分
袋から割り箸を出し、指を挟んで割り箸の先端を開き、片方だけをライターで焦がします。割り箸を再び袋にしまって準備完了です。
1準備した割り箸を取り出し、袋から出します。このときに焦げた部分が手の中に隠れるように持ちます。割り箸を割り、両手に1本ずつ持ちます。
「どちらかを選んでください」と言い、観客に好きなほうを指差してもらいます。
2観客が焦げたほうを指差したら、焦げていないほうをいったんテーブルに置き、焦げた箸を箸袋にしまって「では、こちらを持ってください」と観客に渡します。
焦げていないほうを指差したら、焦げた箸を箸袋に入れ「では、こちらは後で使うので持っていてください」と言って観客に渡します。
いずれにせよ、観客は焦げた箸を持つことになります。
箸袋に入れるときも、焦げ目が見えないように気をつけてください。
3焦げていないほうの箸をライターであぶります。最初の準備で焦がした場所とだいたい同じ場所になるようにします。
4運命に関する話をします。以下のセリフはゆっくり語るようにしてください。
「ところで、運命を感じるエピソードって何かありますか?
たとえば、双子は運命でつながれている、という話がありますよね。双子が同時に風邪を引いたり、同時に同じことを思ったりするように」
5「割り箸も言ってみれば双子みたいなものですよね?
......さっきから持っている箸が熱くなったような感じがしませんでしたか?」
ここまでのセリフで観客の想像力を刺激します。観客によっては、本当に熱くなってきた! という人もいます。
観客の持っている箸袋から箸を出してもらうと、焦げ目が出来ています。
【魅せ方のポイント】
イマジネーションを刺激する
このマジックの一番のポイントは、「セリフによる前フリ」にあります。これから起こる現象を「そちらの箸にも焦げ目が......」などと直接的に言ってしまうと興ざめです。それよりも「運命」や「つながり」といったキーワードを含むストーリーを語ることで観客のイマジネーションを刺激し、これから起こることを自ら想像させるように仕向けているのです。
日向 大祐(ひゅうが・だいすけ)
マジックエアリスト。東京大学工学部卒、同学大学院環境学専攻修士。観客の目の前で見せるクロースアップマジックを中心に、会員制レストランや企業パーティー等で活躍。2009年、イギリスで開催された「Blackpool Magic Convention」にて優勝、日本人初の欧州チャンピオンに輝く。同年、マジックのオリンピック「FISM」日本代表。
ちょっとした「タネと仕掛け」で絶対盛り上がる手品を21個収録。マジックを成功させるのに必要な「人の心をつかむコツ」などもしっかり解説。誰でもすぐに実践できます!