宇野昌磨、ネイサン・チェン、坂本花織ら豪華スケーター集結。豪華コラボも話題の『THE ICE 2022』レポート

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スケーター達の、個人演技についても触れてみたい。3名のチャンピオンに次いで印象的だったのは、友野一希。ジャンプの仕上がりのみならず、動きの切れが実に素晴らしい。彼はリハーサルではいつも明るく盛り上げてくれていたが、一方で少しでも時間が空くと、黙々とコンパルの図形を氷に描いて練習していたのが印象的だった。地道な努力も欠かしていないのだと感銘を受けた次第だ。

プロへと転向した宮原知子の演技も素晴らしかった。15歳でTHE ICEに出演するようになった頃、彼女はエレメンツについては素晴らしいが表現力に難のある選手、と目されていた。少しでも表現力を身に着けてもらおうと、振付の坂上美紀先生が個別指導をしたり、半ば強制的にダンスバトルに参加させられていたのが昨日のことのようだ。そんなことを思いながら現在の彼女の情感豊かな演技を観ていたら、涙腺が緩むのを抑えることができなかった。

三原舞依は、ショー本番こそジャンプのミスがあったが、練習では充実した滑りを見せていた。状態は良いのだと思う。元気で、笑顔で滑ってくれるだけで観る者を幸せにしてくれるスケーター。シーズンでの活躍を楽しみだ。

三浦璃来&木原龍一組は、愛知公演の最後で怪我をしてしまい、新潟公演、大阪公演をキャンセルすることになった。本人達が最も無念だろうが、しっかり怪我を直してもらい、シーズンに間に合うことを願いたいものだ。

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海外勢で最も注目を集めたのはイリア・マリニンだろう。リハーサルからクワドアクセルの練習を繰り返していたが、中でもとても惜しかったジャンプがあり、連続写真を撮ってみたのだが、着氷は(試合だとqが付くかな、アンダーは付かないだろう)、ぐらいの回転不足に収まっていた。おそらく今季中に試合でも成功させるのではないだろうか。

また、彼のソロ演技の後、ダニエル・グラスルとのコラボナンバーがあるのだが、その練習時にすごいものを見ることができた。2人同時にジャンプを跳ぶサイドバイサイドで、実際のショーでは3ルッツを選択することが多いのだが、練習ではなんと、4ルッツのサイドバイサイドを成功させていたのだ! 改めてこの2人の能力の高さを見せつけられた気持ちだった。

THE ICEは、7月26日~28日の3日間の新潟公演を終え、730日、31日と開催される丸善インテックアリーナでの大阪公演でフィナーレを迎える。出演してくれたショーのメンバーの活躍、そして来年のザ・アイスがますます盛り上がることを願ってやまない。

取材・文・撮影/中村康一(Image Works)

 

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