『77歳の現役講師によるマナーの教科書本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』 (岩下宣子/主婦の友社)第2回【全10回】
50年以上の長きにわたり、多くの人々にマナーを教えてきたマナー講師の岩下宣子さん。その著書『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)は、岩井さんが講師をするなかで実感した、人生で本当に大切だと思ったマナーをまとめたものです。あたたかく、ときに厳しく綴られた77の項目には、マナーを超えた、より豊かな人生を送るためのヒントが満載! きっと、あなたの心に響くはずです。今回はこの本の中から、思い描く自分に近づき、明るく軽やかに生きるためのふるまい術をご紹介します。
※本記事は岩下宣子著の書籍『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』から一部抜粋・編集しました。
ご自宅にうかがうときには5分遅れで
外で誰かに会うときや、仕事の待ち合わせのときなどは「5分前集合」といわれますね。でも、個人のお宅を訪問するときはちょっと違います。
訪問先のお宅では、きっと一生懸命準備をしているはず。掃除をしたり、お料理やお茶やお菓子の準備をしたり、最後にもう一度トイレットペーパーを確認したり。よーし、5分前に準備完了!と思ったら......しまった、お化粧忘れてた! そんなこともあるかもしれません(私にはよくあります)。
ですから、「個人宅の訪問は5分遅れがよい」と先人たちは言ってくれました。素敵ですね。これも思いやり。
この5分が、訪問先の人に心のゆとりをプレゼントしてくれるのです。
だからといって5分以上遅れてはいけませんよ。「道に迷ったんじゃないかしら」と心配をかけてしまいます。
さて、ここまでは訪ねる側のマナーです。受け入れるほうとしては、やはり5分前には準備を終えたいものです。特に真夏や真冬、雨の日などは、早めに準備をしておきましょう。
そして時間より少し前に、相手に「準備はできてまーす。何時に来てくださってもかまいませんよ!」なんて連絡を送るといいでしょう。5分遅れで到着するために、ご近所をうろうろしていたら申し訳ありませんから。
もちろん早めに来るか来ないかは相手しだい。もしかしたら「ごめんなさい、遅刻しそうです」というお返事が来るかもしれません。そうしたらこちらも少しリラックス。
こんなやりとりができるのも、スマホ時代の素敵な習慣ですね。
『訪ねる側も迎える側も、相手の様子を思いやって』。