『77歳の現役講師によるマナーの教科書本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』 (岩下宣子/主婦の友社)第5回【全10回】
50年以上の長きにわたり、多くの人々にマナーを教えてきたマナー講師の岩下宣子さん。その著書『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)は、岩井さんが講師をするなかで実感した、人生で本当に大切だと思ったマナーをまとめたものです。あたたかく、ときに厳しく綴られた77の項目には、マナーを超えた、より豊かな人生を送るためのヒントが満載! きっと、あなたの心に響くはずです。今回はこの本の中から、思い描く自分に近づき、明るく軽やかに生きるためのふるまい術をご紹介します。
※本記事は岩下宣子著の書籍『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』から一部抜粋・編集しました。
贈り物が届いたという連絡はまずはメールでもいい
贈り物が宅配便で届くことが増えました。お中元やお歳暮だけでなく、旅のお土産、地元の名産品、自家菜園のおすそ分け(私は「お福分け」と呼びます)まで多彩です。玄関に届く思いがけない贈り物はうれしいものです。
さて、贈り物を受けとったら連絡はどうしましょうか?
少し前のマナーの本であれば、「お電話でのお礼は失礼です。3日以内にお礼状をお送りしましょう」と書かれているかもしれません。なぜ電話ではダメなのでしょう? 電話は呼び鈴で相手を電話口まで呼びつけるから失礼だ、ということでした。固定電話が家庭に1台で、子機もなかった時代の〝常識〞なのだと思います。
携帯電話もメールもある現代、もう古い常識にとらわれなくていいでしょう。相手は到着日もわかっていますから、連絡がないと心配になります。まずは簡単でも、「届きました。ありがとう」を伝えたいものです。
そしてできれば1週間以内に、お礼状を送るといいですね。
封書、カード、はがきなどで「とてもおいしかった」「こんなふうに使わせていただきました」など、具体的な感想をお伝えしましょう。二度目のお礼が実はとても大切で、相手の方も「贈ってよかった」とうれしい気持ちになるはずです。
私自身は、贈り物をいただいたらすぐに携帯電話にお電話をします。お出にならなくても留守電にお礼を残しておけるので便利です。かけ直してくださる方もいるので、ご迷惑かもしれませんが、贈り物をいただいたときが声を聞ける貴重なチャンス。長話にならないよう気をつけはしますが、昔のように頻繁に会えなくなった昨今、できるだけお声を聞きたいのです。
『まずは簡単に、二度目は感想込みの連絡を』。