『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』 (著:青い日記帳、監修:川瀬佑介/KADOKAWA)第1回【全5回】
ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』や葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』、ゴッホの『ひまわり』といえば、誰もが知っている「名画」ですよね? でも、「名画がなぜ名画と呼ばれるのか?」は、意外に知られていないかもしれません。 「名画とは、その時代に誰も知らなかった方法やテーマで世の中を驚かせた作品を意味します」と話すのは、1年に300以上の美術展に足を運び、ブログやSNSでレビューを行う青い日記帳さん。 その著書『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』(KADOKAWA)は、青い日記帳さんの解説とともに、時代背景や画家の知られざるエピソードをふまえて名画をじっくり楽しめる1冊です。
※本記事は著/青い日記帳、監修/川瀬佑介の書籍『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』から一部抜粋・編集しました。
『モナ・リザ』って何がすごいの?
世界一有名な絵画、それはレオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』でしょう。
口もとに小さな笑みを浮かべ、穏やかに見つめる女性。服装は地味な色合いですが、よく見ると胸元に細やかな刺繍が施されており、上質なものだということがわかります。頭に薄いヴェールをかけていますが、アクセサリーはつけていません。
このモデルは一体誰なのか。さまざまな貴婦人の名前が取りざたされましたが、確証はありません。衣装や装飾品の特徴の少なさもあり、身元を推測しにくいのです。
謎の微笑を浮かべる身元不明の女性というミステリー。人々の想像をかきたて、何世紀も議論がくりひろげられる。これこそが、この作品の魅力かもしれません。
その証拠に、古今東西の画家たちがこの名画を元にした作品を残しています。
ダ・ヴィンチが死ぬまで持っていたこの絵は、それから現在までフランスにあり、ルーヴル美術館内に作られた「モナ・リザの間(国家の間)」に、特別に飾られています。
"謎"が興味を呼ぶ、世界一の名画『モナ・リザ』
モデルはどんな人か推理してみよう
別名『ラ・ジョコンダ』とも呼ばれる、ルネサンス期の肖像画の最高傑作とされます。ダ・ヴィンチの死後、フランス王に買い取られるなど注目を集めてきました。
『モナ・リザ』1503~1519年/ルーヴル美術館(フランス、パリ)
【豆知識】
年間800万人が訪れるルーヴル美術館の中でも、多くの人がつめかける人気の場所が「モナ・リザの間」。約800平方メートルの広い部屋は、日本のテレビ局の全面協力により作られ、2005年にオープンしました。