大人になってから「中耳炎」になると痛みや発熱を伴わず、難聴の症状が現れます。そのため、加齢性難聴と間違われやすく、種類によっては重篤な事態につながることもあると言います。そこで今回は帝京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 教授の伊藤 健(いとう・けん)先生に「中耳炎」についてお聞きしました。
※この記事は月刊誌『毎日が発見』2022年4月号掲載の情報を再構成したものです。
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ご存じですか? 「中耳炎」
耳の中にある「中耳」という部分に、細菌やウイルスによる炎症が起こったり、うみがたまったりする病気
【セルフチェック】
□ 耳が痛い
□ 聞こえが悪い
□ 鼻水が出る
□ めまいがする
□ 耳が詰まっている感じがする
□ 自分の声が耳の中で響く
□ あくびをしたときにポコポコと音がする
□ 耳の中で水のようなものが動いているように感じる
一つでも当てはまるものがある場合は耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。
慢性中耳炎の場合は聞こえが悪くなることが多い。
片耳の異常も見逃さないで!
鼓膜に開いた孔などで耳が遠くなる
年を重ねるとテレビの音などが、聞こえにくくなることがあります。
国内の老人性難聴は65歳以上で3人に1人、75歳以上で約半数と推計されるほど、身近な老化現象の一つです。
ですが、耳が詰まったような感じや、耳の中から耳だれ(液体)が出てくるときには、老人性難聴以外の病気が疑われます。
「大人の中耳炎は痛みや発熱を伴わず、難聴の症状が現れるため、老人性難聴と間違われやすいといえます。中耳炎の種類によっては、重篤な事態につながることがあるので注意が必要です」と、伊藤健先生は警鐘を慣らします。