「親の耳の聞こえづらさが心配で...」という方は多いのではないでしょうか。また年を重ねて自分の聞こえ方が心配になってくることも...。
今回はそんな女性3名に実際に集音器「femimi」をお試しいただき、リアルな感想を教えてもらいました。
―まずはそれぞれ、ご両親やご自身の「聞こえ」に関するご不便などをお聞かせください。
Mさん:私の親は父が91歳で母が85歳です。耳の聞こえが悪いということで、以前集音器を買って渡したことがあるんですが、「まだそんなに悪くないし」と言って使ってくれませんでした。私自身は61歳で、再雇用で働いています。会社の健康診断で「聞こえが悪いから要検査」と前から言われていたのに放っておいて、それでいよいよまずいぞという感じで耳鼻科にも行ったこともあるんですが、「加齢もあるし何の病気というわけでもない」と言われたので特に何もしなかったんです。でもやっぱり聞こえづらいので集音器を買って使ってみたり、その後で16万円もはたいてお試しで片耳だけ補聴器を作ってみたんですけど、...なくしました!
一同:ええ~っ⁉
Mさん:半年くらい使ってなくして、またそこですぐに作り直せばよかったんですがそのままにしていたところでちょうど今回のお試しのお話を聞いて「試してみたいな」と思いました。
――Aさんはいかがですか?
Aさん:年齢は64歳です。私も再雇用で勤めています。私自身も健康診断で「片耳がやや難聴」と言われたことがあります。自分でもやや聞こえづらいなと思うこともあるんですが、会社に行ったりみんなでごはんを食べたりといった日常生活ではほとんど不便は感じていなかったんです。でも唯一不便なのがテレビの音で...。セリフが聞こえづらくてどうしても音を大きくしちゃうんです。
――集音器というものがあるというのはご存じでしたか?
Aさん:はい。おじさんがかなり聞こえが悪いということで集音器を買ってあげたことがあります。でも「ノイズを拾ってしまうから使わなかった」と言われました。
―― そうなんですね。Iさんはいかがですか?
Iさん:私は61歳です。私は今のところ聞こえづらいということはないんですけど、「いずれは来るんだろうな」と思っています。父は91歳で完全に聞こえていないんですけど、「まだ補聴器をつける年齢じゃない」って言ってつけるのを嫌がるんです。
一同:笑
Iさん:「じゃあいったいいつつけるの?」って思うんですけどね(苦笑)。もう5年くらい折に触れて伝えているんですけど、ぜんぜんだめで。妹と今までに集音器も3台くらいは渡しているんですけど、結局使わなくなっちゃって...。ふだんは独り暮らしなので困るのはテレビをそれはもう巨大な音で聞いています。でも私たちが実家に帰ったときの会話では、何度か聞こえないと父も聞き返すのをあきらめちゃって。一緒に食事をしていても家族の会話は早口で飛び交うので黙って食事をしているような感じになることもあって。人の会話のキャッチボールが聞き取れるようになるといいなあと思います。
――Iさんのお父様は、補聴器でも集音器でも抵抗感があるんでしょうか?
Iさん:補聴器に関しては、父のお友達が「あれはいまいちだった」って話していたらしくて。 それは10年も15年も前に買ったものの話なんだけれども、「雑音が入る」とか「ハウリングする」とか、変な情報をすごく入れちゃっていて。だから試そうっていう気持ちになかなかならないみたいなんですよね。1回試してもらえれば今のはすごく良いと思うんですけど。老眼鏡はすぐかけるのに、なんで耳はすぐにつけないんだろうって。同じことなのにね。
Mさん:うちの母は85歳ですけど、やっぱり周りの友達から「これを使ったらここがよくなかった」と聞くとそちらを信じちゃいますね。
――今回はみなさんに事前にお使いいただいたんですが、届いて使い始めるまでにわかりづらいことはありましたか?
Iさん:なかったです。割と簡単にできました。充電もすぐにできたし。イヤホンに合わせるチップ(編集部注:各自の耳の穴のサイズに合わせてイヤホンにつけるシリコンゴムのチップがXS・S・M・L×各2個ずつ付属品としてあり)を変える前は少し雑音がしたんですけど、そのキャップを変えたら雑音も押さえられてスムーズに使えました。
Mさん:私は説明書と保証書を読むが大っ嫌いなので(笑)、まずは自己流でイヤホンのキャップは変えずに使いました。最初はガサガサという音が入ってしまったんですが、説明書を読んで耳の中にちゃんと入れたら大丈夫でした。
Aさん:私も説明書を読まないタイプなんですけど、すぐに使えました。
――お使いになってみていかがでしたか?
Iさん:テレビの音が聞きやすくて、半分くらいの音で聞こえました。
Aさん:本体がクリップで留められるから、それもいいなと思いました。
Mさん:今日も1日使ってみました。いちばんよかったのは、昼間出社をしていたときに、その場にいる人とリモートの人と両方の人がいる会議があったんですが、リモートの人の声が聞きづらくて。それでこのfemimiをつけたらバッチリ聞こえて助かりました。
対面の時も相手が話していることがふだんは聞こえづらいから、「えっ?」って聞き返してると家族だと「もういいよ」って言われちゃって。これをつけていれば聞こえます。
――なるほど。本体の大きさや色や形などで何かご感想はありますか?
Mさん:軽くて持ち運びしやすいのがよかったです。
Aさん:個人的にはアクセサリーでもシルバーしかつけないので、色はシルバーがあったら嬉しいなと思いました。
Mさん:年取ってくると確かにカバンの中でモノを探すから、お財布とか手帳とか携帯とか、何でも派手な色にしないと見つけられなくて。4色くらい展開してくれると嬉しいですね。
――今回集音器をお試しいただきましたけど、集音器と補聴器でどちらかに安心感があるとかハードルがあるなどはありましたか?
Mさん:自分では両方ともハードルはないですね。補聴器も作ってなくしてるくらいですから(笑)。ちなみに私は耳にひっかけるタイプの補聴器を作ったんですが、耳の穴の形に合わせて作るものはもっと高かったですね。でもそれだとより目立たないかもしれないけど私はなくしやすいので...。まあそれでも私はケーブルがついていてもなくしましたけど(笑)。
ーー今回はケーブルがついているタイプをお試いただきましたが、femimiには「耳穴式デジタル集音器」というワイヤレスタイプもあるので、ニーズに合わせて選んでいただけますね。
Iさん:どちらでも機能的によければ、耳が悪かったら自分はすぐにつけたいです。さんざん父で苦労しているので(笑)。
Aさん:私は自分自身では手元にあるスピーカーくらいならいいかなと思っていて、広告を見ても「集音器はまだ私には必要ない」と考えていたのに、試したら「あれ? いいかも?」となりました。試してみると違いますね。「60歳だからまだまだ大丈夫」と思っている人も多いと思います。
――femimiは購入前にレンタルでお試しすることもできるので、老眼鏡みたいに「ちょっと試してみようか」とお試しいただけると便利さや快適さを実感してもらえるんですよね。
Aさん:長く使っていくものになるし、ある程度の金額を払うことを考えると、実際に使って試せるというのはいいですね。
高齢者の親世代はもちろん、50代、60代の世代から「加齢性難聴」は始まります。人とのコミュニケーションや情報を得る手段としての「聞こえ」を手軽にサポートしてくれるのが、集音器。今回の座談会でも実際に試してみて初めてわかる感想も多くありました。まずは「お試し」から始めることで、生活の質のアップを実感してみませんか。
イラスト=坂木浩子