――老眼鏡に比べ、補聴器や集音器のハードルを高く感じている人が多いそうです。テレビの音が聞こえにくくても、音量を上げるという対処法で済ませてしまいがちだったり。
荒井先生:下手に音量を上げ過ぎてしまうと、ますます耳がダメージを受け、症状を悪化させたり、家族が困ったりすることもあります。上手に機器を活用して音が聞こえる環境を作ってあげることが大事です。
――聞こえにくさを感じたら、もっと手軽に機器に頼ったほうがいいんですね。
荒井先生:実は私自身も、1年程前に突発性難聴を発症し、聴力が落ちてきているため、スピーカーを近くに置いたり、集音器を使ったりしてるんですよ。かつての集音器は雑音まですべて拾ってしまったため、装着しても人の声が聞きづらいといった難点もありましたが、最近のものは全然違います。雑音を極力カットし、聞こえづらい高音域の集音に絞り込めるよう優れた機器が、日本のメーカーによって生み出されています。そういった機器を利用してより良い聞こえを確保することが、豊かな健康寿命を楽しめる環境づくりにも役立つと思います。
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加齢性難聴により耳が遠くなると、今まで当たり前だった世界との関わり方も少しずつ変わっていってしまうもの。でも、声のかけ方を工夫するなど周りのちょっとしたサポートや適切な機器の利用で、聞こえを確保してあげることは可能です。超高齢化社会の今、聞こえやすい環境を整えることで、高齢者もそうでない世代もスムーズなコミュニケーションを取れ、快適な暮らしを送れるようになるといいですね。
取材・文=酒詰明子 イラスト=チョッちゃん
【編集部おすすめ】
「すぐに使える!」「簡単操作」だからハードルが低い
音のスペシャリストが作った優秀集音器とお手元スピーカー
「最近親がテレビを見ているときに音が大きくなったし、よく聞き返される」といったことはありませんか? それは加齢性難聴が理由かもしれません。また、実は加齢性難聴は40代から徐々に進行している場合もあるため、親世代だけでなく、40~50代でも加齢性難聴の可能性があります。
そんなときに頼りになるのが、デジタル集音器の「femimi」とお手元スピーカーの「快テレ君」。これらはいずれも音響メーカー「パイオニア」で30年以上のキャリアを積んできた"音のスペシャリスト"が集まった「オトモア株式会社」が作ったものです。
『femimi(フェミミ)ポケット型デジタル集音器』(VR-M700) は、 最大約125倍まで音を増幅させる機能をもった集音器。使い方はいたって簡単。「イヤホンマイクを耳につける」「本体の電源を入れる」「音量を調整する」のみの、3ステップです。電源ボタンや音量調節もわかりやすく、片手で操作可能。本体部は19gと軽量なので、持ち運びも簡単。附属のクリップを使ってポケットなどに付けておくこともできます。