知ってた? 帯状疱疹にかかりやすい年齢層は50歳以上/帯状疱疹

pixta_17834439_S.jpgある日、頭や背中、わき腹などの、体の左右どちらかの皮膚にピリピリした痛みを感じた後、赤い班や小水疱(水ぶくれ)が出てきた...急にそんな症状が出現したら戸惑うものです。実は、これが帯状疱疹(たいじょうほうしん)の典型的な症状。加齢や過労、病気、旅行に出かけて疲れがたまった時などに、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが再び活動し始めて起きる病気です。帯状疱疹の特徴や治療法、後遺症、他の病気との見分け方などについて、宇野皮膚科医院院長の漆畑先生にお話を聞きました。

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帯状疱疹を発症しやすい年齢の人は注意しましょう

帯状疱疹は決して珍しい病気ではありません。水ぼうそうにかかったことがある人なら、誰でもかかる可能性があります。国立感染症研究所の報告(2013年)によると、80歳までに3人に1人がかかると推定されているそうです。

「帯状疱疹の発症には、免疫力の低下が深く関わっています。男女差はなく、男女どちらにも発症する病気です。帯状疱疹にかかりやすいのは、加齢によって免疫力が低下する50歳~70歳代、あるいはそれ以上の高齢者です」と漆畑先生。

その一方で、帯状疱疹にかかりにくい年齢層は30歳~40歳代です。なぜかというと、ちょうど水ぼうそうにかかりやすい年代の子どもを持つ親の世代だからです。帯状疱疹の特筆すべき点は、水ぼうそうの人と接触すると、追加免疫が獲得できるため帯状疱疹にかかりにくくなることです。自分の子どもが水ぼうそうにかかれば、水ぼうそうウイルスによって追加免疫を得られます。そのせいで、この年代は発症率が少ないのではないかといわれています。

近年、帯状疱疹の患者は増加傾向にあります。厚労省の報告によると、いま日本では毎年1000人当たり約8人が帯状疱疹になっているそうです。20年前は1000人当たり約4人だったので、約2倍に増えているといえます。

その理由として、いまの日本の社会構造が「高齢化」「少子化」になっていることが挙げられます。年をとるにつれて免疫力は低下していくので、高齢者が増えれば帯状疱疹の患者も増えるのです。

また少子化が進み、ひとりっ子、もしくは2人きょうだいぐらいの家庭が多くを占めることも、帯状疱疹が増えた要因だといえます。きょうだいが水ぼうそうにかかるという経験が減り、追加免疫を強化することが難しくなりました。以前は家庭にも近所にも子どもがたくさんいました。日常生活の中で、水ぼうそうを発症している子どもと触れ合う機会も多く、追加免疫を獲得することができたため、帯状疱疹の発症率がいまよりも低かったといえます。

さらに2014年10月から、乳幼児の水痘ワクチンが定期接種となりワクチン接種が一般化したため、水ぼうそうの流行がほとんどみられなくなりました。それによって、水ぼうそうウイルスに接する機会が激減したことも、帯状疱疹の発症率増加の要因となっています。今後はさらに患者が増えることが予想されます。

 

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取材・文/松澤ゆかり

<教えてくれた人>
漆畑 修(うるしばた・おさむ)先生

東邦大学医学部卒業後、東邦大学医学部大橋病院皮膚科部長、東邦大学医学部客員教授などを経て2007年に宇野皮膚科医院(東京都世田谷区北沢)院長に就任。医学博士、皮膚科専門医、抗加齢(アンチエイジング)医学専門医、温泉療法医、サプリメントアドバイザー。著書に『痛みを残さない帯状疱疹 再発させない単純ヘルペス』(メディカルトリビューン)、『帯状疱疹と単純ヘルペスの診療』(メディカルレビュー社)などがある。

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