大腸がん、肺がん、胃がんの検査。それぞれのメリット、デメリットは?/健康診断

大腸がん、肺がん、胃がんの検査。それぞれのメリット、デメリットは?/健康診断 pixta_32895242_S.jpg自治体や職場などで、毎年受けている人も多い健康診断(健診)ですが、そういった検査で は、どの程度精密に病気を診断できるのでしょう? 医療法人社団・同友会理事長の髙谷典秀先生に、最新の健診事情を教えていただきました。

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内視鏡検査やレントゲン。目的に合わせて受診を

50代になったら必ず受けておきたい検査といえば、がん検査です。なかでも日本人の罹患率が高い「大腸」「胃」「肺」を対象とした検査には複数あります。検査のメリット、デメリットを知って、自分の状態に合った検査を選びましょう。

 

【大腸がん】

便に含まれた血液の反応によって、がん組織からの出血を見ることでがんの有無を判定する便潜血検査は、手軽に行える半面、がんがあるにもかかわらず、陰性と判定されることも少なくないのが欠点です。これを補うには、大腸内視鏡検査が有効です。幸い、大腸がんは比較的進行が遅いことが多いため、自治体などで便潜血検査を毎年受けることに加えて、大腸内視鏡検査を、数年に1回は受診するという組み合わせが、予防策としては最適です。
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●費用の目安(自費の場合)
便潜血検査/2000~3000円 
大腸内視鏡検査/1万5000~2万5000円
●検査時間
便潜血検査/約5分
大腸内視鏡検査/30~60分(当日)

 

 

【肺がん】

肺がん検査ではレントゲンと、喫煙歴や年齢に応じて喀痰(かくたん)検査を加えるのが一般的です。ですが、これらの検査で見つけられるのは、進行し始めたがん細胞。CT検査の場合、1㎝以下の間隔で体内を撮影するため、極めて早期での発見が可能です。
大腸がん、肺がん、胃がんの検査。それぞれのメリット、デメリットは?/健康診断 1805p050_03.jpg●費用の目安(自費の場合)
胸部X線検査/1000~3000円
胸部CT検査/1万~1万5000円
●検査時間
胸部X線検査/約10分
胸部CT検査/約10分

 

 
胃がん

X線検査、内視鏡検査ともに、自治体などの健診でも受診できます。早期胃がんの発見率では、内視鏡検査が優勢ですが検査に苦痛を感じる人もいます。一方、X線検査でも早期胃がんの発見は可能。体の状態や予算に合わせて選択しましょう
大腸がん、肺がん、胃がんの検査。それぞれのメリット、デメリットは?/健康診断 1805p050_02.jpg●費用の目安(自費の場合)
胃部X線検査/1000~3000円
胃内視鏡検査/1万5000~3万円
●検査時間
胃部X線検査/約10分
胃内視鏡検査/約10分

 

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取材・文/笑(寳田真由美) 

大腸がん、肺がん、胃がんの検査。それぞれのメリット、デメリットは?/健康診断
<教えてくれた人>
髙谷典秀(たかや・のりひで)さん

医療法人 社団・同友会理事長、日本人間ドック健診協会理事、医学博士。年間50万件を超える健診を実施し、多くの企業 健保組合の産業医、保健指導 業務の支援を行う。

 
この記事は『毎日が発見』2018年5月号に掲載の情報です。
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