体重の約8%を占める体液。知っておきたい「血液」の成り立ち/やさしい家庭の医学

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体重のうち約8%を占める体液
「血液」

●「血球」と「血漿」からなる

「血液」とは、人間や動物の血管内を流れる体液のことで、体重の約8%の体積を占めているとされます。たとえば、体重が60キロの人の場合では、4.8Lくらいの血液が身体中をめぐっていることになります。

 
血液は、「血球」という形のある成分と、「血漿(けっしょう)」という形のない成分からなっています。血液の容積のうち、血球は約40%、血漿は約60%を占めています。血液の主な役割は、酸素や二酸化炭素、栄養素、老廃物などを運搬し、水分バランスや体温など体内環境を一定に保ち、免疫(めんえき)反応や止血作用、細菌の捕食など生体を防御することなどです。
 

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血球には赤血球、白血球、血小板などが含まれています。赤血球は酸素を体のすみずみまで運ぶ役割を担い、直径は7~8ミクロン(1ミクロンは1ミリの1000の1)で、内部にはヘモグロビン(血色素)というタンパク質があります。
 
ヘモグロビンは鉄を含んだ成分を持つことから、血は赤い色をしているわけです。
ヘモグロビンは肺から取り込まれた酸素と結合し、体の各組織をめぐりながら酸素を放出していきます。ですから、ヘモグロビンが不足すると酸素が十分に行き渡らなくなり、貧血症状を引き起こすことになるのです。

白血球は細菌やウイルスなどの異物から体を防御する役割を担います。白血球は赤血球と異なり、細胞核を持っていますので、自分の力で血管や組織の中を動き回ることができます。
白血球には顆粒(かりゅう)球(好中球、好酸球、好塩基球)、リンパ球、単球などが含まれますが、好中球や単球の割合がもっとも多く、これらが細菌などの異物に対抗することによって体が守られることになります。リンパ球は免疫機能に携わる成分で、白血球の約30%を占めています。

血小板は字のごとく板のような形をしたもので、血液の凝固(ぎょうこ)作用を司ります。つまり、止血作用があるわけです。血管が破れると傷口に血小板が集まり、血栓(血の固まり)をつくって出血を止めるようにします。ですから、血小板が不足すると出血が止まらなくなってしまうのです。

血漿は、その90%が水分からなっており、残りのほとんどをタンパク質が占めます。血漿は栄養分やホルモン、ビタミン、老廃物を運搬する役割のほか、体内の水分を調節するなどしています。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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