心拍や呼吸、血圧も上昇! 興奮を招くホルモン「アドレナリン」/やさしい家庭の医学

pixta_463579_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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心拍数や血糖値を上げるホルモン
「アドレナリン」

●「アドレナリンが出た」とは?

スポーツ観戦や音楽のライブを観たときなど、興奮して「アドレナリンが出た」などと言い表すことがあります。この「アドレナリン」とはいったいどのようなものなのでしょうか。
 
アドレナリンとは、副腎髄質(ふくじんずいしつ)より分泌されるホルモンで、神経を伝える物質(神経伝達物質)です。心拍数や血圧を上げる働きがあるため、アドレナリンが出ると興奮する状態になるわけです。
 
副腎髄質は副腎(左右の腎臓のうえに接して一つずつある内分泌器官)の内部にある赤褐色の柔らかい組織で、アドレナリンとノルアドレナリン、少量のドーパミンが副腎髄質から分泌されるホルモンです(副腎髄質ホルモン)。副腎髄質から分泌されるホルモンのうち、約8割がアドレナリンといわれます。
 
ノルアドレナリンはアドレナリンの前駆体(ぜんくたい)、つまり、アドレナリンがつくられる前の段階のものです。これも神経伝達物質で、末梢(まっしょう)血管を収縮させ、血圧を上昇させる役割を持ちます。
 
アドレナリンは前述の役割のほか、気管支を拡張させたり、血糖値の上昇を促す作用があります。

人はストレスを感じると交感神経が刺激を受け、アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの「カテコールアミン(カテコラミン)」が分泌されます。カテコールアミンが分泌されると、心拍数や呼吸数の増加、血糖上昇、瞳孔(どうこう)の散大などが見られるようになります。
 
これは人にかぎらず、動物が生き残るために必要な体の作用で、たとえばライオンに狙われた小動物がライオンから逃れるためには呼吸を速くし、運動器官への血流を増やさなければなりません。
 
また、夜には敵に襲われないように瞳孔を大きく開けて自らを守らねばなりません。これらの行動は、ストレスがかかったことによって引き起こされるものなのです。

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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