ふと鏡を見たら、「まぶたや目の下がたるんでいる」「くまが濃くなって疲れて見える」などでがっかりしたという経験はありませんか? 目の周りにたるみやくまができると、実際の年齢に関係なく、老けた印象を与えてしまいます。そこで、皮膚科医で「ウォブ クリニック中目黒」総院長の髙瀬聡子先生に、目元やまぶたのたるみやくまの正しい対処法を教えていただきました。
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肌にハリを与えるケアで、目元の黒ずみを改善
乾燥や加齢によって真皮成分が衰えると、肌のハリや弾力が低下します。もともと皮膚の薄い目元は特にこの影響を受けやすく、徐々に目の下がたるんできます。その影が黒いくまとなって見えるのが黒ぐまの正体です。
「黒ぐまを改善するためには、しっかりとした保湿ケアで目元の乾燥を防いだうえで、低下してしまったハリと弾力を高めるエイジングケアが必要です。目元にハリや弾力を与えるケアには、レチノール入りのアイクリームがおすすめです」と髙瀬先生。
今回は、黒ぐま改善のためのお手入れポイントを教えていただきました。
【黒ぐまのお手入れポイント】
●レチノール入りアイクリームで対策を
黒ぐまの原因となるたるみを緩和するためには、コラーゲンを強化する必要があります。そのため、レチノールやビタミンC誘導体など、コラーゲンを増やす作用のある成分を配合したアイクリームをお手入れに加えましょう。これらの有効成分は、シワの改善にも役立ちます。
レチノールとは...
レチノールとはビタミンAの一種で、線維芽細胞(せんいがさいぼう、※)に働きかけてコラーゲンを増やします。
具体的には、
(1) ターンオーバーを促す作用が強く、老化がすすんで衰えた細胞を排出する
(2) コラーゲンの生成を促進する
(3) 水分(ヒアルロン酸)を保つ
という3つのステップで、水分不足や弾力不足になって老けて見える目元のお悩み改善に役立ちます。
※=線維芽細胞/肌のハリや弾力のもととなるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す、源となる細胞。
▼ここに注意!
たるみが目立つようになった肌は、真皮のコラーゲン線維がもろくなっています。そこに強い力が加わると、正常なコラーゲンがつくられなくなり、さらにたるみが進んでしまいます。アイクリームをなじませるときは、肌を動かさず、薬指の腹を使って軽くポンポンとたたくようにしましょう。
また、レチノールは、シワやたるみの改善に効果をもたらしますが、やや刺激が強いので、まぶたに塗ると刺激になることがあります。製品の使用方法をよく確認してから使うようにしましょう。
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取材・文/笑(寳田真由美)
髙瀬聡子(たかせ・あきこ)先生
皮膚科医。東京・中目黒にある美容皮膚科クリニック「ウォブ クリニック中目黒」総院長。「高機能・高実感」と「ラグジュアリー・クオリティ」を同時に叶える化粧品「アンプルール」を研究開発。著書に『気になるパーツのスキンケア 2週間速効メソッド』(宝島社)など。雑誌、テレビ出演などさまざまな分野で活躍中。