ふと鏡を見たら、「まぶたや目の下がたるんでいる」「くまが濃くなって疲れて見える」などでがっかりしたという経験はありませんか? 目の周りにたるみやくまができると、実際の年齢に関係なく、老けた印象を与えてしまいます。そこで、皮膚科医で「ウォブ クリニック中目黒」総院長の髙瀬聡子先生に、目元やまぶたのたるみやくまの正しい対処法を教えていただきました。
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目元の真皮(しんぴ)のたるみは、レチノール入りのアイクリームで
40代になると、目元の真皮の線維芽細胞(せんいがさいぼう、※1)の生成が低下してコラーゲンやヒアルロン酸といった、いわゆる肌のハリを司る成分が少なくなってしまいます。すると、肌はハリを失い、たるみが目立つようになります。
※1=線維芽細胞/肌のハリや弾力のもととなるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す、源となる細胞。
「肌がハリを失って目元のたるみが目立つようになってきたら、保湿に加えて、ターンオーバーを促進するレチノール入りのアイクリームをお手入れに加えましょう。レチノール入りのアイクリームは、コラーゲンの生成を促してくれて、目元のたるみケアに効果的です」と髙瀬先生。
●目の下のたるみやシワに効果的なレチノール
レチノールとはビタミンAの一種で、線維芽細胞に働きかけてコラーゲンを増やします。
具体的には、
(1) ターンオーバー(新陳代謝)機能を促す作用が強く、老化がすすんで衰えた細胞を排出する
(2) コラーゲンの生成を促進する
(3) 水分(ヒアルロン酸)を保つ
という3つのステップで、水分不足や弾力不足になって老けて見える目元のお悩み改善に役立ちます。
目の下のたるみやシワに効果をもたらすレチノールですが、皮脂腺がほとんどなく、刺激を受けやすい上まぶたへの使用は、基本的に控えた方がいいでしょう(一部の化粧品では、まぶたへの使用も可能とされています)。また、目の周辺のたるみの原因の大半は加齢なので、抗酸化力の高いビタミンCやポリフェノール、血行促進効果のあるビタミンE配合のアイクリームなどをお手入れに加えるのもいいです。
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取材・文/笑(寳田真由美)
髙瀬聡子(たかせ・あきこ)先生
皮膚科医。東京・中目黒にある美容皮膚科クリニック「ウォブ クリニック中目黒」総院長。「高機能・高実感」と「ラグジュアリー・クオリティ」を同時に叶える化粧品「アンプルール」を研究開発。著書に『気になるパーツのスキンケア 2週間速効メソッド』(宝島社)など。雑誌、テレビ出演などさまざまな分野で活躍中。