人間が生きていく上で必須の生命活動「呼吸」は、酸素を吸引する他に様々な効能を秘めています。現代人は「浅い呼吸」になりがちと言われていますが、「深い呼吸」には人体へのプラス効果が盛りだくさん。今回は健康になるための呼吸法をチェックしていきましょう。
姿勢を正せば呼吸法も正しく
昨年放送された「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系)では、深い呼吸の持つ効能や浅い呼吸からの改善方法について注目しました。深い呼吸で効率よく酸素を取り込めば、免疫力や基礎代謝がグンとアップ。しかし、運動不足やストレスが原因となって起こる「浅くて速い呼吸」が主体になると、ストレスの元であるイライラした感情が増えやすくなるので要注意です。
浅い呼吸の人に多いのが「巻き肩」と呼ばれる姿勢トラブル。北里大学病院の高平尚伸先生は「両方の肩が"体を包み込むように"内側に入り込んでいる状態」と、身振りを交えて巻き肩の姿勢を説明してくれました。「この状態が長く続くと胸が圧迫されて呼吸が浅くなる」と補足し、「情報のデジタル化」が巻き肩の原因の1つと指摘しています。両手で広げて読む新聞と違って、主流となっている小型のスマホなどを眺めていると巻き肩の姿勢になりがちに。
そこで活躍するのが「大胸筋ストレッチ」。手を体の後ろで組んで、息を吸い込んでください。続けて10秒ほどかけてゆっくりと上を向き、息を吐きながら腕を上げていきます。この時に肩甲骨を寄せるよう意識するのがポイント。状態をキープしたら大きく2回呼吸すれば完了です。体が硬くて手を組むのが難しい人は、ハンドタオルの両端を掴んで腕を上げてみましょう。大胸筋を柔らかくして血流が良くなれば、巻き肩の姿勢が改善されますよ。
寝ているだけで深い呼吸が実践可能!?
番組ではさらに呼吸を深くするための「横隔膜伸ばし」と呼ばれる方法が登場。正しい呼吸法を身につければ若々しく健康な体になれると知ったくわばたりえさんは、「呼吸で若くなれるなら若くなりたい!」と意気込みながら横隔膜伸ばしにチャレンジしました。
みぞおち付近にある膜状の筋肉・横隔膜は、収縮によって酸素を吸い込むサポートをしています。横隔膜がしっかりと機能すれば、その分深い呼吸ができる仕組みに。
そんな横隔膜を鍛える方法はとても簡単なもの。10cmほどの厚みになるようにタオルをお尻の下に敷き、あお向けに寝たら腰とヒザを90度にして両足を椅子の上に乗せてください。続いて胸と腹を同時に膨らませるよう意識して、深呼吸をゆっくりと10回行えばオーケー。朝晩に1回ずつトライすれば、1日の生活の中でより多くの酸素をキャッチできますよ。
横隔膜伸ばしを一度行っただけのくわばたさんも、「呼吸が変わってるのが分かる!」と興奮していました。気になる人は是非、日々の生活に大胸筋ストレッチと横隔膜伸ばしを上手に取り入れてみましょう。