肺炎は日本人の死因第3位! のどを鍛えて寿命を10年のばしましょう

肺炎は日本人の死因第3位! のどを鍛えて寿命を10年のばしましょう pixta_38560307_S.jpgのどは「発声」「呼吸」「飲み込み」の役割を担う重要な器官です。しかし、年齢とともに全身の筋肉が衰えるように、のどの筋肉も衰えていきます。飲み込み力がおちて誤嚥性肺炎になる恐れがあります。のどを鍛えるにはどうすればよいか、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生に聞きました。

 
のどを鍛えることが大切な理由

日頃から「咳が多い」「声がかすれている」「食事のときにむせやすい」などの症状がある人は、のどの筋肉が衰えて、機能が低下している可能性があります。「のどの筋肉が衰えると、飲み込みが悪くなり、むせるようになります。そこから誤嚥や肺炎になりやすく、命の危険もあるのです」と大谷義夫先生は話します。肺炎は、がん、心疾患に次いで、日本人の死因の第3位に入っています。「肺炎で亡くなる人の約96%は65歳以上の人。持病から肺炎を併発して亡くなるケースも多くなります」。

健康な生活を左右するのどの3つの機能
「呼吸」「飲み込み」「発声」のしくみ

肺炎は日本人の死因第3位! のどを鍛えて寿命を10年のばしましょう 1803p058_01.jpg

 

<これがのどの役割>

発声:声帯を息で振動させる
のどから肺へと続く気管の入り口に声帯があり、肺から出た息が声帯を振動させて音を出します。音は口腔などの空間で共鳴して大きな音となり、そこに口や舌、表情筋などの動きが加わると、言葉として発声されます。

●呼吸:空気を気管に送る
鼻や口から取りこまれた空気は、のどを通って気管に入り、肺に送られます。肺からは二酸化炭素が、逆の経路をたどって体外に排出。この繰り返しが「呼吸」で、生きている間中、休みなく行われています。

飲み込み:食べ物を胃に送る
口に入った食べ物は、歯が噛み砕き、舌を使って唾液と混ぜ合わされて「食塊」が作られます。舌の働きで食塊がのどに押し込まれると、のどでは「ゴックン」という飲み込み反射が起きて、食塊は瞬時に食道へと送られます。

下の「飲み込み力簡単チェックリスト」を利用して、自分の飲み込み状態をチェックしてみましょう。該当する項目が5つ以上ある人は、「ゴックンチェック」と「のどトレ」にチャレンジしてみましょう。

 

5項目以上で肺炎の恐れあり! 

飲み込み力 簡単チェックリスト


【呼吸・飲み込み】
□2週間以上咳が続く
□唾液や水でむせることが多い
□よく胸やけがする
□のどがいがらっぽく食欲もない

【食生活】
□早食いである
□甘いものが好きだ
□油っこい料理が好きだ
□濃い味付けが好きだ
□水分をあまりとらない
□お酒が好きでよく飲む
□野菜をあまり食べない
□魚をあまり食べない

【生活習慣】
□睡眠不足だと思う
□高血圧である
□コレステロール値が高い
□タバコを吸う
□あまり運動しない
□歯磨きをしないことがある
□人とおしゃべりするのが苦手
□肺炎球菌ワクチンを接種しない(65歳以上)


※大谷義夫先生への取材を基に編集部が作成

 

次の記事「気管に入った唾液や飲食物が原因! 誤嚥性肺炎はこうして起きる(2)」はこちら。

 

取材・文/松澤ゆかり・山川寿美恵

肺炎は日本人の死因第3位! のどを鍛えて寿命を10年のばしましょう
<教えてくれた人>
大谷義夫(おおたに・よしお)先生

池袋大谷クリニック院長。群馬大学医学部卒業。九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長などを経て2009年より現職。著書は『65歳からの誤嚥性肺炎のケアと予防9割の人は持病では死なない!』(法研)など。

 
この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP