40度程度のぬる湯がオススメ。自宅での入浴はこの方法が〇/入浴習慣

40度程度のぬる湯がオススメ。自宅での入浴はこの方法が〇/入浴習慣 pixta_21884638_S.jpg体の芯まで温まる入浴は、健康や美容に大変効果的です。でもどんな効果があるの? シャワーではダメなの? と考えてみると、はっきりとした答えは見つかりません。そこで、東京都市大学人間科学部教授で温泉療法専門医である早坂信哉先生に温泉や自宅でできる「正しい入浴法」について詳しく教えていただきました。

前の記事「入浴は1日2~3回まで。プロに聞く正しい温泉の入り方/入浴習慣(2)」はこちら。

 

入浴は40 ℃程度のぬる湯で。長湯の際は半身浴を

入浴には、体を温めて新陳代謝を活発にしたり、体をリラックスさせるなど、さまざまな効 果があります。ですが、残念なことに、入浴中の事故で亡くなる人は年間1万9000人にも上ります。原因は明確ではありませんが、脳卒中や心臓発作、熱中症などが主な症状です。

そこで、安全で快適な入浴法を下記にまとめてみました。
「お風呂は、わずかな温度差で効果が劇的に変わります。健康のためには、基本的に40 ℃より低いぬるめの湯がおすすめ。年齢が上がると温度に鈍感になりやすいので、給湯器の温度が40 ℃程度になっているかを確認するようにしましょう。また、湯に長くつかると体温が上がり過ぎるので、半身浴をしたり、浴槽から出たり入ったりを繰り返すなど、体を休ませながら入浴してください」(早坂先生) 。

 

●入浴事故防止にも役立つ! 安心安全なお風呂の入り方

(1)脱衣所と浴室を暖める
脱衣所には暖房器具を置き22~23 ℃に設定を。浴室は、浴槽の湯に当たるようにシャワーを3分程度出して暖めておきます。また、浴槽のふたを外して湯を張るのもおすすめ。

(2)水分をとる
入浴前後はコップ1杯の水やお茶を飲みましょう。入浴前に緑茶を飲むとカテキンの吸収量は通常の約7倍に。カテキンには脂肪の吸収を抑える他、抗酸化作用もあります。

(3)かけ湯をする
手や足の先から体の中心部、頭へと、1回ほどに分けて湯をかけます。もちろんシャワーでもOKです。

(4)湯舟につかる
湯につかる際は足先からゆっくり入り、まずはみぞおち辺りまで。その後、ゆっくり肩までつかりましょう。少しずつ体を慣らしていくのが、安全に入浴するコツです。ただし、心臓や肺に疾患のある人、肩までつかると苦しい人は半身浴 (みぞおち辺りまでつかる) にしましょう。

(5)洗い場で 髪や体を洗う
一度、お風呂で温まった後の 方が、毛穴が開いて皮膚の汚れが落ちやすくなります。せっけんを使う場合はよく泡立てて、手で優しく肌をなでます。ゴシゴシとこすりません。

(6)全身浴をする

(7)風呂から出る

(8)水分をとる

(9)休息する
入浴後は素早くタオルで体を拭き、 体が冷えないうちに毛布や布団にくるまって横になり、安静を保ちます。 すると、体温が適正に保たれ、疲労回復効果を期待できます。

 

次の記事「高血圧、肩こり、乾燥肌...「気になる不調」別オススメ入浴法/入浴習慣(4)」はこちら。

取材・文/笑(寳田真由美)

40度程度のぬる湯がオススメ。自宅での入浴はこの方法が〇/入浴習慣
早坂信哉(はやさか・しんや)先生

東京都市大学教授、温泉療法専門医。著書に『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)、『入浴検定公式テキストお風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。テレビ、ラジオ、雑誌にも多数登場。

 
この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の情報です。

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