老眼と白内障は万人にセットでやって来ます/老眼

pixta_37097269_S.jpg年を重ねるにつれ、誰もが感じるのが視力の衰え。いわゆる「老眼」ですが、これは加齢によって目の中の奥の水晶体が老化することから発症するもので、45歳前後を迎えるころから、ならない人はいない症状です。その仕組みや最新の医療技術、また、老眼になってからの生活を少しでも快適に送る方法などを、みなとみらいアイクリニック主任執刀医でクイーンズアイクリニック院長の荒井宏幸先生にお聞きしました。

前の記事「近視・遠視と、老眼は別物。仕組みからして違います/老眼(2)」はこちら。

 

水晶体が白く濁って見えづらくなる白内障

老眼世代が注意したい目の疾患として、白内障があります。老眼と白内障はセットで起こってきますので、すでに老眼の症状が出始めている人は、同時に白内障も少しずつ進んでいると思ってください。
白内障で最も多いのは「加齢性白内障」で、早い場合は40歳代から発症し、60歳代で70%、70歳代で90%、80歳以上になるとほぼ100%の人に視力の低下が認められます。

主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

●視力が低下する
●視界が全体的にかすみ、ものが二重、三重にぼやけて見える
●明るいところに出ると光をまぶしく感じ、見えにくくなる
●目がチカチカする
●白い車などが見づらくなる
●動いているものに瞬時に反応できない

白内障は老眼と同時期に進行して、見えづらいという症状も似ていることから混同されがちですが、その症状には少し差があります。白内障は老眼と同じく、水晶体の劣化(老化)によって発症します。その違いは、老眼は水晶体の水分が減って硬くなり、柔軟性がなくなることによって見えづらくなる症状に対し、白内障は水晶体が硬くなるだけでなく、黄ばんで白っぽくなるということです。水晶体が濁ってしまい、光がうまく通過できなくなるのです。

本来は透明な水晶体が濁ってくると、白くかすんでモヤがかかったような見え方になります。視界全体が黄色やオレンジ色のフィルターを通して見ているようにもなります。濁って黄ばんだ水晶体は、症状が進むとさらに白く濁り、やがて肉眼で見てもはっきりわかるほどに黒目が真っ白になります。

その原因追求にはさまざまな研究が行われていますが、最も有力な説が「紫外線」です。簡単に言うと、強い太陽の日差しを浴び続けると、皮膚の細胞がかさかさになったり、傷ついたり、変色したりするのと同じような理由です。紫外線の強い地域や、紫外線を浴びることが多い職業の人は早く白内障になりやすいことも報告されています。

老眼と同じく、白内障はとても一般的な眼科疾患ですが、放置しておくと失明に至ることも。医療制度の整った日本では白内障による失明率は約3%ですが、世界的に見れば失明の原因の第1位です。ですが、放置せず眼科を受診すれば、まず失明に至ることはありません。現在はさまざまな治療法があり、白内障の手術と一緒に老眼を治してしまう方法もありますので、見え方が気になったら早めに診察を受けることをおすすめします。

 

次の記事「放置してはだめ! 老眼にまつわる目の症状/老眼(4)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM)

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<教えてくれた人>
荒井宏幸(あらい・ひろゆき)先生

みなとみらいアイクリニック主任執刀医、クイーンズアイクリニック院長、防衛医科大学校非常勤講師。1990年、防衛医科大学校卒業。近視矯正手術、白内障手術を中心に眼科手術医療を専門とする。米国でレーシック手術を学び、国内に導入した実績から、現在は眼科医に対する手術指導、講演も行っている。著書に『「よく見える目」をあきらめない 遠視・近視・白内障の最新医療』(講談社)、『目は治ります。』『老眼は治ります。』(共にバジリコ)ほか。

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