頭痛や耳鳴り、肩こり、眼精疲労、不眠、肥満など、体のさまざまな不調の原因は、実は首にあります。首のこりや歪みは意識しにくいため気づきにくいのですが、日常生活での首への負担は想像以上に大きく、放置すると深刻な不調をもたらします。全身の不調を引き起こすという「首こり」について、骨格アライメント治療を行う細野周作先生にお話を伺ってみました。今回はその5回目です。
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肩甲骨を大きく動かして首と頭を正常な位置に
「顔を真横まで向けられない」 「顔の左右が違う」などといった症状があれば、首のこりによる筋肉の異常が起きています。
「首こりの改善には、頭を正常な位置に戻すことが重要です。 そのためには、首周りの筋肉の緊張を緩めて、肩甲骨を大きく動かせるようになることが必要です。筋肉をほぐして可動域を広げる動的ストレッチと、筋肉に蓄積した老廃物を排出する静的ストレッチを組み合わせることで、安全で効果的に首こりを 改善できます」とは、細野クリニック院長の細野周作先生。
逆に、私たちが日常的に行いがちな行動の中に、首こりを悪化させるものもあります。
「首を押したり、もんだりするのは首の筋肉をさらに硬くして緊張を高めます。故意に、首をポキ ポキと鳴らすのも、ゆくゆく、しびれなどの不調につながってしまいます」
正しい首こり解消法を覚えて症状を緩和させるとともに、全身の不調改善に役立てましょう。
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取材・文/笑(寳田真由美)
<教えてくれた人>
細野周作(ほその・しゅうさく)先生
細野周作(ほその・しゅうさく)先生
細野クリニック院長。国立東京医科歯科大学卒業後、東京都済生会中央病院などを経て独立。最新の栄養療法と骨格アライメント治療を用い、病気を未然に防ぐ「未病」に重点をおいている。