受動喫煙による周囲の健康被害を始め、「タバコの害」が科学的に明らかにされるにしたがい、少しずつ喫煙者の肩身が狭くなってきました。そんな中、2016年の秋ごろから「ビタミンタバコ」という新しい形の「喫煙」が、静かなブームを巻き起こしています。
今年の1月15日には、そんなビタミンタバコの1つ「VITACIG(ビタシグ)」が、全国のファミリーマート・サークルK・サンクスにて販売されるようになりました。いまやコンビニでも手軽に買えるようになったビタミンタバコは、電子タバコとどう違うのでしょうか? 美容とオシャレに敏感な大人の女性も注目する、「タバコの新しいカタチ」に迫ります。
「ビタミンタバコ」ってどんなもの?
ビタミンタバコは、その名のとおり吸引する成分に「ビタミン」を含んだ電子タバコです。その吸引スタイルから「タバコ」と名付けられてますが、ニコチンやタールといった、タバコに代表される有害物質を含んでいないのが最大の特徴です。
「ビタミンタバコの火付け役」と言われているのが、今回、コンビニで販売がスタートした「VITACIG」です。アメリカ生まれで、「ビタミンを吸引する」という新しいスタイルと、ストロベリー、バニラ、チェリーといったバリエーション豊かなフレーバーのおかげで、女性を中心にたちまち人気となりました。
VITACIG JAPAN (ビタシグ ジャパン) 公式サイトより
現在はこの「VITACIG」以外にも、各国のメーカーがビタミンタバコを生産・販売しています。国産では「VITAFUL」、お隣の韓国産では「VITABON」という商品があります。このほかにも「Vitamitas」「VITABACO」「C-tec DUO」など、続々と新商品が生まれています。
その価格や仕様は商品ごとに異なりますが、価格は安いもので1000円前後、高い物でも3000円未満。使用回数は500回というものがほとんどで、中には1500回、2000回の吸引が可能と謳うものもあるようです。
電子タバコよりは健康だけど...?
電子タバコの最大の問題は、以前に本サイトの記事でもお伝えしたように、「実は無害ではなかった」ことにありました。その点、「ビタミンタバコ」は前述のとおり有害物質を含んでいないので、少なくとも周囲に健康被害を及ぼすことはありません。
VITAFUL 公式サイトより
しかし、「健康さ」を売りにするビタミンタバコも、実際はまだその効果がきちんと検証されているとは言えないようです。大手ウェブニュースが栄養学の専門家に聞いたところ、吸入によってビタミンCが体内に有効に取り込まれているかどうかは疑わしいという意見もありました。
一方、ビタミンタバコの製造メーカー・最大手の1つ「VITACIG JAPAN」は、ウェブニュースの質問に対し、「2014年の発売以来、人体に望ましくない症状は確認されていない」と回答しています。それでも、実証実験の少なさから、妊婦や授乳期の利用は、かかりつけの医師と相談してほしいとも述べています。
そのスタイリッシュさから、今後ますます流行しそうな「ビタミンタバコ」ですが、「未成年が使っていいのかどうか」など、まだ解決していない問題も残っています。「カッコイイから」「健康そうだから」と安易に飛びつくのではなく、自分の調べられる範囲で情報を集め、問題点も把握したうえで、この「新時代のタバコ」をたしなむようにしたいですね。
文/千葉洋一