子どもの「熱中症」に注意!「ベビーカー熱中症」も...小児科医が教える「おうちケア」と「対策」

子どもが怪我や病気をしたらどう対応すれば良いでしょうか。すぐに救急? かかりつけ医でOK? わからないことばかりで不安を抱えているパパ・ママも多いはず。そこで今回は小児科医が書いた「ママ・パパ向け 家庭の医学」である『行列のできる子ども健康相談室 0~10歳児の病気とケガのおうちケア』を紹介します。著者は「たけつな小児科クリニック院長」で、年間約3万人の子どもを診る小児科医・竹綱庸仁先生。子育ての不安を解消するアドバイスが満載の本書から、内容を抜粋してお届けします。

※本記事は竹綱庸仁 著の書籍『行列のできる子ども健康相談室』から一部抜粋・編集しました。

【前回】子どもの「虫さされ」には「かきむしり」対策を! 小児科医が教える「正しい対処法」

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子どもは熱中症にかかりやすい。水分、塩分の摂取をこまめに

熱中症

熱中症は、暑さで体温が上昇する際、体温調節がうまくいかずに水分や塩分のバランスが崩れ、高熱、倦怠感、嘔吐などが引き起こされる状態です。

子どもは、体温調節機能が未熟で、体の水分量が多く脱水になりがちなので、大人より熱中症にかかりやすいといえます。

気温が29℃を超えると、熱中症のリスクが高まります。

梅雨が始まる5月末から、運動会シーズンの9月末頃までは注意しましょう。

梅雨時も熱中症は発生します。

湿度が高いと発汗に気づかず水分摂取が少なくなったり、まだ肌寒い日もあり厚着をして体に熱がこもりやすくなったりすることが原因です。

梅雨も意外と熱中症リスクが高い時期だということをぜひ知っておいていただき、お子さんの体調管理に気をつけましょう。


救急or病院 チェックリスト

救急車を ★★★ 夜間・休日診療へ ★★☆ かかりつけ医の診察時間に受診 ★☆☆

□ 意識がはっきりしない ★★★
□ 脈が弱い ★★★
□ 嘔吐を繰り返して水分がとれない ★★☆
□ 強い頭痛がある ★★☆
□ 体が熱っぽく、汗、尿の量が少ない ★☆☆


おうちケア

●涼しい環境に移動

熱中症は、体に熱がこもっている状態です。症状が出たら、日陰や冷房の効いた室内に移動してください。できるだけ室温を下げて、体を冷やす環境を作ることが大切です。

●できるだけ水分、塩分を摂取

熱中症は、体の水分が不足した状態で、汗や尿の量が減ります。水分をしっかり摂取することで、脱水が改善し、発熱などの症状も次第によくなっていきます。また熱中症は、発汗により水分のほか塩分も失われます。予防には、こまめな水分補給のほかに塩分もとることが大切です。水やお茶よりも、スポーツ飲料や経口補水液がおすすめです。

●保冷剤で太い血管を冷やす

体温を下げるには、体の表面に近い太い血管を冷やすと効果的です。保冷剤や氷のう、冷やしたタオルなどを、首や脇、足のつけ根にあてましょう。おでこには太い血管がないので、解熱効果はそれほどありません。

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イラスト/堀川直子

 

竹綱庸仁

たけつな小児科クリニック院長。小児科専門医、小児科指導医、地域総合小児医療認定医。愛知医科大学医学部卒業後、附属病院で臨床研修医として勤務。ときに「たけつな渋滞」が起こるほどの信頼を得て、年間約3万人の子どもを診るクリニックのほか、共働きの親が病気の子どもを預けられる「病児保育室バンビ」、言語発達遅延を持つ子どもに個別の言語訓練を行う児童発達支援「のびいく」を立ち上げる。

※この記事は『行列のできる子ども健康相談室 0~10歳児の病気とケガのおうちケア』(竹綱庸仁/KADOKAWA)からの抜粋です。
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