時間や曜日を何度も聞く、財布の中に小銭が増えた...「これって認知症?」をチェック!/認知症予防(4)

pixta_28665420_S.jpg認知症の予防や対策などについて考える「第7回日本認知症予防学会学術集会」が、 ことし9月、岡山市で開催されました。今回の学術集会で発表された最新の情報を基に、日常生活の中でできる、 認知症予防策をご紹介します。


前の記事「においに鈍感になったら認知機能が衰えているかも!?/認知症予防(3)」はこちら。

 

認知症による「もの忘れ」と加齢による「もの忘れ」の違いって!?

「メガネの置き場所はどこだっけ?」 「あの人の名前はなんだっけ?」といったもの忘れは、年を重ねると誰にでも増えていくものです。単なる加齢のせいの場合、ゆっくり時間をかけたり、人からヒントを与えられれば思い出すことができます。一方、 認知症の人の場合、自分の体験したこと全てをすっぽりと忘れてしまい、 どうやっても思い出せないことが特徴です。

脳の神経細胞は加齢によって減少しますが、認知症になると、 大量の神経細胞が失われ、記憶できる情報量が激減します。特に、アルツハイマー型認知症の初期段階では、 古い記憶は比較的残っているのに対し、新しい情報は記憶されません。 そのため、何度伝えても「なぜ教えてくれないの」といった言動が現れるようになります。

 
認知症によるもの忘れ

● 忘れていることを自覚できない
● 出来事の記憶が丸ごと消えている
● ヒントを出しても思い出すことができない
● 年次や日付、季節が分からなくなる
● 道具の使い方を忘れる

認知症によるもの忘れは、最初から記憶されていないか、記憶がすっぽりと抜け落ちてしまっているため、 思い出すことができないのが特徴です。特にアルツハイマー型の初期段階では、古い情報は比較的覚えているのに対して、新しい情報は記憶されません。

 
加齢によるもの忘れ

● 出来事の記憶の一部が欠ける
● ヒントを出すと思い出せる
● 年次や日付、曜日を間違えることがある
● 顔は分かるが名前を思い出せない

加齢によるもの忘れの場合、たとえ脳の機能がスムーズに働かなくなっても、記憶自体は残っています。そのため、人から指摘されたり、ゆっくりと時間をかければ、「そうだった!」と思い出すことができます。そのため日常生活に支障はありません。
※上記はあくまでも目安であり、当てはまらない人もいます。

もの忘れが進行すると、金銭の管理をする、薬を決められた通りに服用するなど、日常生活の複雑な行為が難しくなります。すなわち、周囲の人のサポートなしでは日常生活が成り立たなくなるのです。また、記憶力だけでなく、理解力や判断力も衰えるため、それに基づく行動がスムーズにできなくなります。次のチェック表で一つでも思い当たることがあったら、まずは専門医を受診して、原因を確かめましょう。

 
思い当たる症状はありませんか?

<チェック表>
□ つい最近のことをよく忘れるようになった
□ 時間や曜日を何度も聞くようになった
□ 大事な物をよくなくすようになった
□ 簡単なことをすぐに決められなくなった
□ 料理の味付けが変わったり、レパートリーが少なくなった
□ 外出をいやがるようになった
□ 財布の中に小銭が増えた
  ( 小銭が数えられずに札を出してお釣りをもらうため)
□ 些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなった
□ 予定の時間に合わせて準備ができなくなった
□ 下のような図形をきちんと描けなくなった
毎日が発見_紙面版-24.jpg

※鳥取大学医学部教授 日本認知症予防学会理事長 浦上克哉先生作成

 

次の記事「認知症予防には40~60代は生活習慣病予防、70歳以上は低栄養対策を/認知症予防(5)」はこちら。

取材・文/笑(寳田真由美)

<教えてくれた人>
浦上克哉うらかみ・かつや先生
医学博士。鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座・環境保 健学分野教授。日本認知症予防学会理事長。認知症診断・予防の第一人者。『認知症&もの忘れはこれで9割防げる!』(三笠書房)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2017年12月号に掲載の情報です。

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