脳に柔軟性がないと時代の変化についていけない!?/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(20)

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「すぐにイライラしてしまう」「なんとなくモヤモヤする」...そんな「負の感情」との付き合い方に悩んでいませんか? 
年齢を重ねれば誰もが感情のコントロールが難しくなるもの。「負の感情」をコントロールし、スッキリ生き生きと生きるために、脳科学や心理学の知見によって得られた効果のある実践的な方法を、書籍『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』から学んでいきましょう。

前の記事「日本人がクリエイティブでないのは前頭葉が働いていないから!?/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(19)」はこちら。

脳が柔軟だと得する理由

前頭葉を鍛えるとどんないいことがあるのでしょうか。これまで述べてきたように、前頭葉の働きがよい人はさまざまなシチュエーションで柔軟性があります。脳の柔軟性はこれからの時代に必要な要素であるはずです。

たとえば経済活動がそうです。1980年代ぐらいまではまだまだ物が売れる時代でした。自動車や家電、日用品にいたるまで作れば作っただけ売れるという時代でした。そのために生産性を上げて増産につぐ増産を行う必要がありました。
ところが、1990年くらいから、物はほとんど社会に隅々にまで行きわたり、だんだんと売れなくなっていきました。誰もが自動車を持ち、至れり尽くせりの家電を持っているという時代になっていきました。

その結果、需要は減り、物余りという現象が見られるようになっていきました。物が売れなくなると、それまでのように定番品を作っていればいいというわけにはいきませんから知恵を働かせ、これまでになかった商品を作る必要があります。

また、これからの時代は「もの消費」ではなく、「〝こと〟消費」だとも言われます。ものを買ってもらうのではなく、体験をサービスとして消費してもらおうというものです。民宿での農作物の収穫体験などがそれです。
このように、時代はどんどん移り変わっているのですから、その時代に合った売り方をしなければならなくなってきています。すると、当然、仕事のやり方も変えなければなりません。

かつては日本の製造業は多く中国に進出し、技術を教えてあげるという立場でした。
しかし、今では中国人が大挙して日本にやってきて「爆買い」をしていってくれるという優良顧客になっていますし、中国の企業に買収されるという日本企業もだんだん増えてきています。

そうした状況でいつまでも「日本人が教えてあげている」という態度でいいわけがありませんから、つきあい方を変えていく必要があります。
つきあい方を変えていくという柔軟性の部分でも、また、人間関係の部分でも前頭葉機能が果たす役割は重要です。

たとえば、前頭葉の働きが悪い人は、これまでのつきあいの関係性を変えることが難しいですし、とくに、これまでこちらが目上の立場にいたのが逆転されたような場合は、困難です。武家の商法ではありませんが、相手がお客さんなのに横柄な態度をとったり、小ばかにしたような態度をとってしまうことさえあります。

これからの時代は、これまでよりももっと柔軟に時代によってさまざまに考え方、手法を変化させていかなければなりません。どんどん前頭葉機能の重要性が増していくということです。

 

次の記事「「朝食抜き」は脳の働きにも悪い影響を及ぼす/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(21)」はこちら。

和田秀樹(わだ・ひでき) 

1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。

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『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』

(和田秀樹/KADOKAWA)

感情の不調は"脳"で治す! 医師にしてベストセラー作家が教える、誰でもできる習慣術。「笑い」を解放することが前頭葉を刺激する、「"こだわり"にこだわらない」がポイント、競輪競馬やゴルフ、マラソンの向上心は脳にいいなど、脳科学や心理学の知見によって得られた「効果のある」「実践的な方法」を一挙に紹介!

この記事は書籍 『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』からの抜粋です
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