栄養の宝庫である酒かすには、板かす、練りかすなどいろいろな形状があります。入手しやすいのは、板状に圧搾された板かす。扱いにくいイメージがありますが、「水やみりんなど水分でゆるめておくことで、それ自体が使い勝手の良い栄養たっぷりの万能調味料になるんです」と、管理栄養士の堀 知佐子さん。
注目の栄養素は、たんぱく質の一種であるレジスタントプロテイン。「腸内の油を吸収して排出してくれるので、整腸作用に優れています。コレステロールの低下や肥満抑制にも期待ができますよ」とのこと。
そこで、堀さんおすすめの酒かす万能調味料「黒かす」をご紹介します。黒かすは酒粕に黒砂糖や豆味噌を加えた調味料。豆みそに含まれるメラノイジンやイソフラボンに抗酸化作用があるほか、黒糖でミネラルもプラス。甘さとコクがあり、肉料理によく合います。味がしっかりしているので、炒めものなど中華にもおすすめです。
◆黒かす
材料(作りやすい分量)
酒かす...100ℊ
水...1/2カップ
黒砂糖...35ℊ
豆みそ...25ℊ
酢...小さじ2
作り方
1.小鍋に酒かすをちぎり入れる。酒かす以外の材料をすべて加え、そのまま置く。
2.酒かすが柔らかくなったら、泡立て器などでよく混ぜる。
3.を中火にかけ、木べらなどで混ぜながら煮る。ひと煮立ちしたら弱火にし、木べらですくってぽったりするまで煮詰めてさます。
※密閉容器に入れて、冷蔵庫で約1カ月保存可能。
牛肉やキノコに、黒かすのほかにんにくなどを加えて中華風炒めに。
お肉を漬け込んで焼いてももちろんOK。
構成・文/岸上佳織里 撮影/邑口京一郎
<教えてくれた人>
堀 知佐子(ほり・ちさこ)さん
管理栄養士、食生活アドバイザー、日本抗加齢医学会正会員。調理師専門学校の講師を経て、ミールプロデューサーに。テレビや雑誌などでも活躍。
堀 知佐子(ほり・ちさこ)さん
管理栄養士、食生活アドバイザー、日本抗加齢医学会正会員。調理師専門学校の講師を経て、ミールプロデューサーに。テレビや雑誌などでも活躍。