コレステロール値が高くなり、それを放置したままだと、心臓病や脳卒中などのリスクが高まってしまいます。どのように治療したらよいのでしょうか。寺本内科・歯科クリニック内科院長の寺本民夫先生に、コレステロール値を下げる3つの療法を教えていただきました。
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健康診断などで初めてコレステロール値や中性脂肪が高いと指摘された場合で、ほかに異常がない人は、まず食事や運動などの生活習慣を見直して、それを1カ月続けた後の数値を病院で測定してもらいましょう。数値が改善された、改善されつつある場合は、生活習慣の見直しを継続し、変わらない場合は、医師と相談して薬による治療も検討を。数年間、数値が高いと言われ続けている人は、できればすぐに受診をしましょう。
コレステロール値を下げる3つの方法
1.食事
青魚、大豆、野菜、玄米などの未精製穀類、海藻をたっぷり。乳製品、果物、卵は適量で。脂身、バター、砂糖、トランス脂肪酸の多いお菓子や揚げ物は控えめに。
2.薬
食事と運動で十分な改善がなければ投薬治療も視野に入れます。LDLを下げる薬、中性脂肪を下げる薬などを医師と相談の上、処方してもらいましょう。
3.運動
運動は中性脂肪を減らし、HDLを増やします。毎日3 0分程度の早歩きなど、無理なく続けられるある程度負荷のかかる有酸素運動を行いましょう。
コレステロール値が高いと、コレステロールが多い食品を全部カットしなければならないと考えがちです。数値によってはそれが必要な場合もありますが、大好きな肉や卵を無理に我慢して食事療法を行ってもストレスになり、長続きしません。いつも食べている量の半分にしてみるだけでも効果が期待できるので、試してみましょう。
体質によって、食事療法の効果が表れない人もいるので、薬を併用しながら食事を見直すのが、ストレスなく長続きする方法です。
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寺本民夫(てらもと・たみお)先生
寺本内科・歯科クリニック内科院長。東京大学医学部卒業。専門は内分泌、代謝、動脈硬化など。帝京大学医学部学部長、日本内科学会理事長などを経て、2013年に、患者さんと語り合い良い関係を築いて治療する同クリニックを開業。