『大人になっても消えない重荷を抱える人のための 生きづらさの手放し方』 (和田 一郎/KADOKAWA)第4回【全7回】
仕事、人間関係、あるいは「これからの人生」へのなんとなくとした不安......。あなたが抱えるその「生きづらさ」の根源には、子ども時代の逆境体験、ACEs(エース)が潜んでいるかもしれません。子ども時代に家庭内で感じた寂しさや傷つき、張り詰めた空気などの「過去の体験」が、大人になった現在の心や体、そして日々の選択に、知らず知らずのうちに影を落としていることがあるのです。本書『大人になっても消えない重荷を抱える人のための 生きづらさの手放し方』(KADOKAWA)は、近年のデータサイエンスで明らかになった事実をもとに、ACEsがどのように現在の心身、そして人生の選択に影響を与えているかを解き明かします。今回はこの書籍の中から、少し肩の力を抜いて、「これからの人生をラクに生きるためのヒント」をお伝えします。
※本記事は和田 一郎 (著)による書籍『大人になっても消えない重荷を抱える人のための 生きづらさの手放し方』から一部抜粋・編集しました。

ACEs(小児期逆境体験)があなたの人生にもたらす影響
なぜ子ども時代の体験が、大人になってからの病気や生きづらさにつながるのか
一般的に、子どもが長期間にわたって強いストレスにさらされると、脳の発達とストレス反応の仕組みが変化すると言われています。
ストレスに直面したときに働くホルモンの系統が過敏になり、常に「闘うか逃げるか」のモードに入りやすくなります。その結果として、落ち着いて考える力や感情を整える力が育ちにくくなるのです。
そのような状態が長く続くと、次のような変化が積み重なると考えられています。
○ 人を信頼しにくくなり、人間関係が不安定になる
○ 自分への評価が低くなり、失敗や拒否に過敏になる
○ 不安や抑うつ、怒りが高まりやすくなる
○ 睡眠、食欲、免疫のバランスが崩れやすくなる
これらは大人になってからの心身の病気だけでなく、「人を信じられない」「何をしても無駄だと感じる」「仕事が続かない」「助けを求めることが怖い」といった生きづらさにも直結します。
そして、こうした影響は長期にわたります。
たとえば日本の調査では、子どものころに虐待や家族の精神疾患などのACEsを経験した人は、経験していない人に比べて、65歳以降の日常生活動作(買い物・外出・金銭管理など)の自立度が低くなりやすいことが報告されています。
さらに、高齢者を対象に「子ども時代の虐待歴があると、高齢期の医療費がどれだけ増えるか」という研究もなされており、高齢になっても病気と医療費増大という形で社会的コストを生み続けることもわかっています。








