話題の加熱式たばこ。受動喫煙やニコチン依存、紙巻たばことの違いは?

pixta_38736147_S.jpg受動喫煙の心配なしは誤解。ニコチン依存が増す可能性も

火を使わず煙が出ない「加熱式たばこ」の販売競争が激化しています。厚生労働省によると、2016年の喫煙率は18.3%で、10年前と比べて5.5ポイント減少しています。一方、加熱式たばこの利用者は増加傾向にあり、喫煙者の約2割とされています。厚生労働省はこの3月、「加熱式たばこの主流煙に有害物質が含まれていることは明らか」との見解を示しています。

日本で一般的に販売されている加熱式たばこには「iQOS(アイコス)」「プルーム・テック」「glo(グロー)、」という3種があります。これらは、従来の紙巻たばこのようにたばこに直接火をつけるのではなく、バッテリーでたばこ葉を加熱し、気化したニコチンを蒸気と一緒に吸入します。火を使って燃やさないため、煙や臭いがほとんどなく、有害物質が少ないといわれ、「紙巻たばこより安全」「受動喫煙がない」などのイメージが広がっています。

ですが、本当に害が少ないのでしょうか?「加熱式たばこは、ニコチンをはじめ、発がん性物質であるホルムアルデヒドなどの有害物質を含んでいます。紙巻たばこに比べて量は少なくなっていますが、有害なものを吸入するわけすから、リスクは否めません。また、喫煙者は、ニコチンの血中濃度が一定に達し、満足感が得られるまで吸入を続けます。結果的に摂取する量は紙巻たばこと変わらず、かえってニコチン依存を助長することもあります」と、作田学先生。

受動喫煙の被害も報告されています。「加熱式たばこはほぼ無煙無臭のため、周囲にいる人がいつの間にか有害物質を吸い込んでしまいます。頭痛やめまい、吐き気の他、目や鼻、耳の不調も多いです」(作田先生)

有害物質やリスクが紙巻たばこより少ない可能性はあるものの、喫煙者と周囲の人への安全性はまったく証明されていないのが加熱式たばこの現状。使用には慎重になることが必要です

●加熱式たばこ1本中の蒸気と紙巻たばこ1本中の煙に含まれる主な成分の比較
1808p083_01.jpg 

●加熱式たばこの健康被害の一例
・頭痛
・めまい
・吐き気
・全身の発しん
・倦怠(けんたい)感
・中耳炎
・気管支炎
・急性心筋梗塞
・脳梗塞
・過敏性肺炎 など

 
取材・文/笑(寳田真由美)


1807p112_prof.jpg

作田学(さくた・まなぶ)先生

一般社団法人日本禁煙学会理事長。東京脳神経センター神経内科勤務。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。
PAGE TOP