「目の健康」には食事も重要! 眼科医が教える「目にいい栄養素」ベスト4を発表

70歳で90%、80歳以上はほぼ全員がなる白内障は、目のレンズである水晶体が白く濁って硬くなる病気です。モノが見えにくくなることで転倒や骨折しやすくなるほか、脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクが高まります。今回は、二本松眼科病院 副院長の平松 類(ひらまつ・るい)先生に「目にいい栄養素ベスト4」をお聞きしました。

【前回】80歳以上のほぼ全員が「白内障」に! 「なりやすい人」や「手術後に気を付けるべきこと」などを解説

治療前の人も手術後の人も摂りたい
目にいい栄養素ベスト4

目の健康を保つためには食事も重要。

以下の4つの栄養素の他、ビタミンCなどもまんべんなく摂りましょう。

古い油や焦げた食品、糖分の摂り過ぎには注意を。

(1)ルテイン

「目の健康」には食事も重要! 眼科医が教える「目にいい栄養素」ベスト4を発表 2207_P055_01.jpg目の黄斑部(視細胞が集まる網膜の中心部)に存在する、カロテノイドの一種。目に集まる特徴があり、抗酸化成分が老化の原因とされる活性酸素を除去する他、紫外線やブルーライトも吸収します。「ほうれん草などの緑黄色成分に多く含まれ、油分と一緒に摂ると吸収されやすいので、さばや練りごまなどと合わせて摂ると効果的」(平松先生)

主な食材
ほうれん草
とうもろこし
ブロッコリー
ニラ
卵黄
など

(2)アスタキサンチン

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ルテインと同じく、カロテノイドの一種。強力な抗酸化力を持ち、目の老化防止に役立つ他、目を含む体の血流をスムーズにして免疫力を高めます。また、眼精疲労の回復作用も。えびやさけ、かになどの赤い部分に多く含まれています。「桜えびにも豊富なので、サラダの上にトッピングするのもいいですよ」(平松先生)

主な食材
さけ
えび
かに
など

3)β-カロテン「目の健康」には食事も重要! 眼科医が教える「目にいい栄養素」ベスト4を発表 2207_P055_03.jpg

ほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれる栄養素。活性酸素を除去する抗酸化作用があり、目の不調全般に効果が高いといわれています。体内では必要に応じて、目の機能や体の粘膜の健康を保つビタミンAに変わります。「春の菜の花、夏のオクラ、秋のチンゲン菜、冬の春菊など、季節の野菜もおすすめです」(平松先生)

主な食材
ほうれん草
かぼちゃ
にんじん
モロヘイヤ 
など

4)DHA・EPA「目の健康」には食事も重要! 眼科医が教える「目にいい栄養素」ベスト4を発表 2207_P055_04.jpg

網膜や脳の組織を構成する不飽和脂肪酸の一種。いわしやさばなどの青魚などに多く含まれます。血栓を溶かして血流を改善し、生活習慣病を予防する他、目に栄養を運んでくれる働きも持っています。また、「目を潤し、守ってくれる涙の質をよくする効果もあります。ドライアイの人も積極的に摂ってほしい栄養素です」(平松先生)

主な食材
いわし
さば
まぐろ
さけ
さんま
ぶり
など

 

<教えてくれた人>

二本松眼科病院 副院長
平松 類(ひらまつ・るい)先生

高齢者の診療経験は10万人以上。目の病気について分かりやすく伝えることをモットーとし、登録者数11万人のYouTube「眼科医 平松類チャンネル」を毎日更新中。近著に『自分でできる! 人生が変わる 緑内障の新常識』(ライフサイエンス出版)など。

この記事は『毎日が発見』2022年7月号に掲載の情報です。
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