「1日1個のりんごは医者いらず」といわれ、毎日食べると健康が維持できることは、昔から知られていました。りんごは特有成分も多く、驚くほどたくさんの健康効果が期待できる身近な果物です。料理研究家で管理栄養士の村上祥子先生に、りんごの効果や健康レシピを教えてもらいました。今回は、りんご酢に関する素朴な疑問に答えてもらいます。
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Q1 電子レンジを使わずに作ることはできますか?
A1 電子レンジを使わない場合は、瓶に材料を入れてふたを閉め、常温で1カ月ほど置いてください。たまに瓶ごとゆすって氷砂糖が溶けるようにします。 電子レンジを使うと熟成時間を短縮できます。電子レンジで加熱するとりんごの成分のペクチンやポリフェノール、ビタミンCが溶け出しやすくなり、酢の成分もりんごの中に浸透しやすくなるため、翌日から飲むことができます。
Q2 耐熱ガラス製の保存瓶が見つかりません。
A2 耐熱ガラスの保存瓶でなくてもかまいません。電子レンジで30秒加熱しても瓶が熱くなることはないので、インスタントコーヒーの空き瓶など、ふた付きのガラス瓶を使ってください。また、電子レンジにかけるときだけ、家にあるどんぶりや耐熱容器を使い、その後、別の容器に移すという方もいます。ただ、その際、樹脂容器は軟らかいので何回か使うと表面に傷が付き、清潔そうに見えても雑菌が潜んでいることがあり、カビが生える原因になるようです。
Q3 電子レンジにかけてから12時間たっても、氷砂糖が溶けません。
A3 氷砂糖は電子レンジにかけても、完全には溶けません。12時間たっても瓶の底に氷砂糖が残っているときは、乾いた箸を使ってかき混ぜてください。溶けやすくなります。
Q4 りんご酢はたくさん飲んだ方が効果を得られる気がしますが...。
A4 りんご酢は1日に大さじ1~3杯が目安。多くても大さじ3杯取れば十分でしょう。たくさん飲んでも効果に変わりはありません。おいしいのでたくさん飲みたくなるという声も多いのですが、カロリーも高くなります。毎日適量を飲み続けることが大切です。食事のときに飲めば、コレステロールの排出作用などを効率よく働かせることができます。
Q5 漬けたりんごはどのタイミングで取り出したらいいでしょうか?
A5 漬けてから1カ月たったら、りんごを引き上げてもよいでしょう。酢漬けりんごも料理にぜひ活用してみてください。
Q6 漬けたりんごだけが残ったのですが、酢と氷砂糖を足して再利用できますか?
A6 できますが、りんごの有効成分は半分に減っています。すでにりんごに酢と氷砂糖が浸透しているため、酢と氷砂糖の分量を半分にして加えます。再利用は1回が限度です。
Q7 りんご酢は夏でも常温保存で大丈夫ですか?
A7 酢には殺菌効果があり、夏場も常温保存で大丈夫です。ただし、直射日光の当たる窓際に瓶を置くのは避けてください。猛暑日が続くときや気温の高い地域では冷蔵保存がおすすめです。
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取材・文/石井美佐 撮影/中野正景
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する。同大学内の「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。公式ホームページ http://www.murakami-s.jp/