脳の老化を防ぐ秘訣は「毎日を実験」にすること! 「前頭葉」を活性化させる5つの習慣

健康で長生きするために重要なのは、自立した生活を送り続けること。そのためには、脳と体を若々しく保ち続けることが必要となってきます。こころと体のクリニック 院長の和田秀樹(わだ・ひでき)先生に「脳と体を衰えさせる『感情の老化』の3つの原因」についてお聞きしました。

【前回】「感情の老化」をセルフチェック! 脳と体を衰えさせる「3つの原因」を精神科医が解説

脳から若返る方法
「前頭葉」を活性化する

「毎日が実験」と思ってとりあえずやってみる

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前頭葉の老化を防ぐには、"毎日が実験"だと思って、いろいろなことを試してみるのがいいと、和田先生。

「例えば、2000円のランチと聞くと高いなと思うけれど、実験だと思って一度食べに行ってみる。実験には失敗がつきものですから、万一満足できなくても気に病む必要はありません。実験をしようとする精神が前頭葉を刺激し、働かせます。想定外の失敗もまた、前頭葉の活性化にはいいことです」

無理なら続けなくてもいい。まずは働いてみる

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年齢を重ねると、若い頃に比べて意欲が低下するのは当然ですが、家にこもってばかりいては脳も体も衰えてしまいます。

「体がもつ限り、できる範囲で働くことは老化を遅らせるいい方法です。選べる職種は減ってきますが、やる気を保つために働くのですから職種にこだわる必要はありません。昔、やってみたかった職業があれば、チャレンジしてみるといいでしょう。ボランティア活動や地域の役員などもいいです」(和田先生)

年齢を気にせず恋をする

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和田先生によると、前頭葉の活性化には、意外性のあることをするのが効果的だそうです。

「恋をすることは、脳の老化を防ぐのに大変役立ちます。"配偶者がいるのに""こんな年なのに"と思われる方もいるかもしれませんが、憧れのスターのファンになるといった疑似恋愛でも十分。恋愛は、思い通りにならないだけに前頭葉への刺激には事欠きません。また、ときめくことで女性ホルモンが活性化して心も体も若返ります」 

いくつになっても、ときめく心は忘れてはいけないようです。


「やりたくないこと」はやらない

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私たち世代はまじめな人が多く、「一度決めたらやり通さねば」と思いがちです。

でもそれは若い頃の生き方だと和田先生。

「年を重ねたら、体の声や、正直な思いに耳を傾けて生きるように心がけましょう。"今日はやりたくないな""気分がのらないな"と思うときは、周りを気にせずにさぼればいいのです。やりたくないことは、無理してやる必要はありません。心が軽くなる生き方を身につけてください」

老後のプランは早めに立てる

老後のプランは、前頭葉が少しでも若いうちに立てるのが正解です。

「前頭葉は年々衰えます。前頭葉が老化すると、いざ何をしようか探そうとしても億劫になり、簡単には見つからないものです。いろいろな国を旅する、グルメツアーをするなど、将来何をしたいのか、いまのうちにできるだけ具体的に計画しておきましょう」

《計算ドリルは前頭葉にいいの?》
脳には大別して4つの領域があり、それぞれ役割が違います。計算ドリルで刺激されるのは頭頂葉。新しいものに反応する前頭葉には、意外な出来事の方が◎。

取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/藤田ヒロコ

 

<教えてくれた人>

こころと体のクリニック 院長
和田秀樹(わだ・ひでき)先生
東京大学医学部卒業。精神科医。高齢者専門の精神科医として30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わる。近著『80歳の壁』(幻冬舎新書)他、著書多数。

この記事は『毎日が発見』2022年8月号に掲載の情報です。
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