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腹筋運動ではお腹は凹みません

まず、なぜ太ってしまうのか、体の中で何がどう変化しているのか考えてみましょう。

太ると大抵お腹が出てきます。当然お腹で増えているのは中性脂肪です。特に内臓脂肪といわれる内臓の周りにつく脂肪が、お腹が出る大きな原因なのです。 内臓脂肪は、つまめる皮下脂肪とは違い、さらにその奥の腹筋よりも奥にある体脂肪です。皮下脂肪は基本的にベルトの上に乗っかる脂肪ですから、ウエストサイズを大きくするのは、その奥の内臓脂肪が原因なのです。

お腹が出たら腹筋運動......と単純に考えてしまう人も多いかもしれませんが、残念ながら、腹筋運動ではお腹は凹みません。なぜなら原因は糖質の摂りすぎなのであり、腹筋が弱いからお腹が出たわけではないからです。いくら腹筋が強くても、糖質を摂りすぎていれば誰でもお腹は出るのです。

また、腹筋の強さとウエストサイズに全く相関関係はありません。いくらなんでも全く意味がないとまでは言いませんが、腹筋運動をするくらいなら、これまでに散々非効率的だと言ったランニングをする方がまだマシです。もちろん、 それでさえオススメしてはいないのですが。

これこそ「目的に対して何がベストか」が考えられていない典型で、根本原因を見ようとしていない証拠です。 特に男性は女性に比べて皮下脂肪よりも内臓脂肪がつきやすく、手足が細くてやせてい るように見えてもお腹だけポッコリと出ているような体型の男性が多くいらっしゃいますが、これは男性に多いりんご型肥満といいます。この状態は筋肉量も低下しているため、 栄養状態も悪い上に、糖尿病リスクも高いと考えられます。

糖は脂肪合成ブースターである

吸収した後、血中に放出された血糖（ブドウ糖）は、細胞に取り込まれてエネルギー源になることは、何回かお話ししたとおりです。

ごはんやパン、甘いものを食欲のままに食べすぎると、食後、血糖値が急激に上がります。そうすると、膵臓からインスリンが大量に分泌されて、ブドウ糖を細胞に送り込みます。ブドウ糖も、いきなり全て中性脂肪に変換されるのではなく、あくまで細胞のエネルギー源に使われるのです。このとき主にもっていかれるのは筋肉です。 ただし、筋細胞をはじめ、他の細胞にもブドウ糖を取り込める限度があります。細胞に取り込まれなかったブドウ糖は、中性脂肪に変換され、皮下脂肪や内臓脂肪の脂肪細胞に送り込まれるのです。

糖質は私達にとって、最も効率のよいエネルギー源であるというのは、間違いありませんが、肉体労働をしている人やスポーツアスリートでもない限りは、実は思っている以上に必要量は多くないのです。

また、問題はインスリンが出ている最中は、体内の脂肪分解がストップされて、血中の中性脂肪も脂肪細胞へ取り込みやすくなる作用が強くなります。つまり、糖質＋脂質は太る食事であるというのは、糖質が脂肪合成のブースター（推進装置）となり、血糖値が上がり、インスリン分泌も上昇、体内には消費する以上に余ってしまった糖質と脂質の両方が体脂肪として蓄えられやすくなるのです。

ですから、糖質＋糖質の食事、糖質＋脂質の食事は、当然ながら太りやすいということがいえるのです。

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