脳のためには1日90gのブドウ糖が必要
最近「糖質オフ」が簡単にやせられると人気ですが、一時的にはやせても急激な方法は必ずリバウンドします。体の司令塔である脳の栄養となるのは糖質(炭水化物や糖)を分解したブドウ糖だけです。主食をとらないのは実は危険で、糖質をとらないでブドウ糖が足りなくなるとまずたんぱく質(筋肉)、次に脂質(脂肪)を分解し、ブドウ糖を合成して脳のエネルギー源にします。これは「糖新生」という代謝機能です。ただ、脳のエネルギー源としてブドウ糖はとても重要ですが、とり過ぎは皮下脂肪の増加を招きます。 脳を効率よく働かせるためには、最低でも1日に90gのブドウ糖が必要で、これを1日3回の食事に分けると、1回30gのブドウ糖で、ご飯換算すると90g( 約150kcal)をとることが大切です。
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1食400~600kcalにするための主食の目安
白米
最初は計量して、慣れてきたら目分量で盛れるようになります。玄米、胚芽米などでも重さはほぼ同じです。
150kcal 90g(151kcal) 200kcal 120g(202kcal)
そば
つゆは高カロリー、高塩分なので飲み切らないようにします。売られているゆで麺は1玉200gが多いようです。
150kcal 115g(152kcal) 200kcal 153g(202kcal)
うどん
生麺、乾麺ともに塩を加えて製造され、140gで0.4gの塩分を含みます。市販のゆで麺は1玉200gが多いです。
150kcal 140g(147kcal) 200kcal 187g(196kcal)
食パン
4枚切り1枚90g(238kcal)、6枚切り1枚60g(158kcal)、8枚切り1枚45g(119kcal)、サンドイッチ用1枚30g(78kcal)。
150kcal 60g(158kcal) 200kcal 75g(198kcal)
ロールパン
パンは種類によって同じカロリーでもかなり食べられる量に違いがあります。牛乳やバターを使ったパンは高カロリーです。
150kcal 50g(158kcal) 200kcal 62.5g(198kcal)
取材・構成・文/石井美佐 撮影/中野正景
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村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。糖尿病、生活習慣病予防・改善のための栄養バランスのよいレシピを開発。日本栄養士会主催の特別保健指導にも あたっている。