電気に加えて、2017年4月からガスの自由化も始まり、特定の事業者以外にも、その地域で営業している事業者から選ぶことができる時代になりました。光熱費がお得になる可能性がありますが、注意しなければいけないことも。どんなことに気を付けたらいいのか、消費生活アドバイザーの丸山晴美さんに教えてもらいました。
前の記事:「ガス代節約なら電力とのセットプランがオトク!/電力に加えてガスが自由化!(2)」はこちら。
【業者選びの注意点】
→請求書が有料になることも
→乗り換えに手数料がかかる場合も
→契約期間満了前の乗り換えで違約金が取られるケースも
業者を選ぶ場合、優先すべきは、どれだけ節約できるかということです。加えて、業者を選ぶ場合に注意すべきことがあります。まず、業者によっては請求書(利用明細書)の確認をインターネットで行うところがあり、紙での郵送を希望すると月100円程度かかることがあります。月100円とすると1年間で1,200円です。紙で明細が欲しい場合は、節約額と比較する必要があります。
また、業者を換える(乗り換え)場合や契約満期前に解約して違う業者に乗り換える場合に手数料や違約金がかかるケースも。業者を選ぶ際には、節約額だけではなく、どんなときに手数料が発生するのか、事前に確認しておくことが大切です。
【詐欺にも注意して】
→「スマートメーターの設置にお金がかかる...」
→「電線やガス管を引くのにお金がかかる...」
電力会社を乗り換える場合、スマートメーターという電力量計が必要です。これを設置するための工事料は無料にもかかわらず、有料とうそをつきお金を徴収する例があります。他にも、新たに電線やガス管を引くのにお金がかかるなどと詐欺を働くケースも。その場でお金を払ったりせず、契約書や名刺などをもらって、実在する業者かどうか確認するなど注意が必要です。
「プロパンガスの場合はどうなるの?」
プロパンガスは業者が独自に販売 交渉次第で料金が安くなる!?
「私の家はプロパンガスだけど、自由化の影響はあるのかしら」と気になっている人もいるでしょう。
今回アドバイスしてくれた丸山さんは、プロパンガス料金適正化協会(消費者保護の観点からNPO団体で設立され、現在は一般社団法人として運営)の理事を務めています。
「プロパンガスは、当初から業者が独自に販売していたので、同じプロパンガスでもお店によって、または業者によって値段が異なります。この値段は交渉によっては下げてもらうことが可能です」と教えてくれました。 例えば、同じお店から購入していても、隣の家の人と値段が異なるケースがあります。
「協会のプロパンガス料金無料相談窓口に電話すれば、自分が住んでいる地域の適正な料金や交渉の仕方を教えてもらえます。もし、適正な料金よりも高く、そのことをお店の人に言いにくい場合は、協会が利用者の代わりにお店に交渉することも可能です」
自分の家のプロパンガスの料金が高いのか安いのか、気になる人は、一度協会に確認してみることをおすすめします。
プロパンガス料金無料相談窓口 電話番号0120・268・311
丸山晴美(まるやま・はるみ)さん
消費生活アドバイザー。身の回りのお金の話をテレビ、雑誌など各メディアにてわかりやすく解説。『オトナ女子のためのお金の基本200』(宝島社)など著書多数。