株式会社マイナビがおこなった「2019年卒マイナビ大学生就職意識調査」によると、イマドキの就活生は大手企業志向が高まっている一方で「やりたくない仕事をさせられるならば、大手企業でも行きたくない」という意識があるようです。一世代前の人たちからは「なんてワガママな!」と顔をしかめられそうなこの結果。近年の【売り手市場】を反映しているのでしょうか? 調査結果を詳細に見てみました。
大手企業にはこだわらない! ではなにが企業選びのポイントなの?
株式会社マイナビは、1979年から毎年「マイナビ大学生就職意識調査」を発表しています。その結果によると、就職観においては「楽しく働きたい」が不動の1位。割合としては30%を超えていて、特に文系男子にこの傾向が強いようです。企業の規模に関する調査結果を見ると、私立学生よりも国公立学生に大手志向が強いものの、「絶対に大手企業がよい」は文系理系男子ともに前年の結果より下がっています。では、【大手企業でなくともよい】企業選びのポイントとは、どのようなポイントなのでしょう?
株式会社マイナビ「2019年卒マイナビ大学生就職意識調査」より
イマドキ就活生の企業選びのポイントは、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」がトップでした。2位は「安定している会社」。実はトップの結果、ここ20年ほどは変わっていないのです。
自分らしく! が許される売り手市場調
調査結果を簡単にまとめると、「大手志向」は国公立の学生を中心に相変わらず上昇傾向。「安定志向」は、就職に強いといわれる理系よりも文系学生が強い模様です。ただし大手企業で安定しているといっても、やりたい仕事ができないのであれば理系・文系学生に関わらず選択しない、ということになりそうです。あくまでアンケート調査の結果なので、就活生の正直な気持ちがそのまま現れていますね。
一世代前であれば「いいとこ取り」は許されなかったかもしれませんが、今は売り手市場。選ぶ権利は就活生にある、と言っても過言ではありません。
ワークライフバランスという言葉が広く使われはじめたのは、2007年に政府と関係団体が「仕事と生活の調和憲章」を策定したころからだと思います。現在就職活動をおこなっている学生(大卒)が生まれたのは、1996年ころ。物心ついたときからワークライフバランスという言葉を聞き、ゆとり世代の厳しい就職戦線を横に見ながら育ってきた就活生達です。「生活と仕事を両立させながら、安定して仕事を続ける」にはどうすればよいのか、一番知っているのかもしれません。
文/長田 小猛