50歳を過ぎると10人に1人以上が親の介護に直面するようになる/介護破産(25)

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介護のために資産を失う「介護破産」が最近話題となっています。実は介護破産の原因には、単に資産の多寡だけでなく、介護に関する「情報量」も大きく関わってくるのです。
本書「介護破産」で、介護で将来破綻するような悲劇を防ぐための方法を学んでいきましょう。

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前の記事「"介護破産"寸前だった週刊誌記者に訪れたある転機/介護破産(24)」はこちら。

50歳を過ぎると10%以上が親の介護に直面

さて、これまでは「介護破産」になりかねない当事者への取材を通して現場の実態をみてきたが、ここからはデータなどを詳しくみながら、介護破産に関する危機について考えてみよう。

70歳を過ぎると要介護状態となる率が上昇し、85歳以上の平均ではじつに約6割の人が要介護状態となる(図3 -1)。

介護破産校了データ-45.jpg厚生労働省の資料によれば、1975年に第一子を生んだ母親の平均年齢は25.7歳である。40年以上経った現在、母親は68歳で、子どもは42歳ということになる。

とすると、今から10年後には、子どもが52歳、母親が78歳となるわけだ。厚労省の資料の数字に従うと、50歳以上の10人中1人以上は、親の介護に直面することとなる。しかも、20年後には子どもが62歳、母親は88歳となり、1975年生まれの人たちの約半数が、親の介護に携わらなければならないことがわかる。

個人によって介護期間が異なるものの、平均寿命と健康寿命の差が10年以上あるため、介護サービスを受ける期間は意外と長い。

そもそも平均寿命とは0歳児が平均して何年生きられるかというデータだ。いっぽう、健康寿命とは日常生活を何不自由なく送ることができ、健康でいられる期間の指標である。いわば、これらの差は医療や介護サービスを利用しなければならなくなる期間をあらわしており、不自由な生活を余儀なくされることを意味する。

親が「私は、ピンピンコロリで亡くなるから」といっても、医療技術が発達している現在、急に倒れても救命医療によって助かるケースは少なくない。しかし同時に、命は助かっても介護が必要となり、先がみえない介護生活に直面するケースが増加することにもつながる。いわば両者は表裏の関係にあるのだ。

  

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結城 康博(ゆうき・やすひろ)
淑徳大学総合福祉学部教授。1969年生まれ。社会福祉士、介護福祉士、ケアマネジャー。地域包括支援センターおよび民間居宅介護支援事業所への勤務経験がある。おもな著書に『在宅介護――「自分で選ぶ」視点から 』(岩波新書)、『孤独死のリアル』(講談社現代新書)、『介護入門 親の老後にいくらかかるか? 』(ちくま新書)など。

村田くみ(むらた・くみ)
ジャーナリスト。1969年生まれ。会社員を経て1995年毎日新聞社入社。「サンデー毎日」編集部所属。2011年よりフリーに。2016年1月一般社団法人介護離職防止対策促進機構(KABS)のアドバイザーに就任。おもな著書に『書き込み式! 親の入院・介護・亡くなった時に備えておく情報ノート』(翔泳社)、『おひとりさま介護』(河出書房新社)など。

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『介護破産』
(結城 康博、村田 くみ/ KADOKAWA)

長寿は「悪夢」なのか!? 介護によって始まる老後貧困の衝撃!
介護のために資産を失う「介護破産」が最近話題となっています。本書では現在介護生活を送っている人々の生の声をルポしつつ、介護をするにあたり知っておきたいお金のこと、法律面のことなどに言及。介護で将来破綻するような悲劇を防ぐための方法論を記した一冊です。

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