使わなくなった子ども部屋を夫婦別々の寝室に。老前リフォームふたつの実例/"老前リフォーム"で豊かな第二の人生を!(2)

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子どもが独立して夫婦ふたりになった。住宅設備もそろそろ取り換え、快適で安全な家にしたい。そんな理由からか、住宅リフォーム推進協議会の「住宅リフォーム実例調査」では、ここ数年60代以上のリフォームが増えているといいます。老後を迎える前にリフォームをすること。それは、豊かな第二の人生をスタートさせる準備になります。「将来どんな住まい方をしたいのかをイメージしながら、現在の住まい環境をチェックしましょう」と語るエスオウ設計事務所代表の寺林成子さん。リフォームの実例をもとに解説してもらいます。

前の記事:「60過ぎてからのオープンキッチン、本当に必要?/"老前リフォーム"で豊かな第二の人生を!(1)」はこちら。

  

【達人のアイデア CASE1】
子どもたちが独立して夫婦ふたり暮らし(千葉県・Iさん)の場合...

元気なうちは2階を夫婦の寝室にして、将来は1階だけで生活できる快適空間を確保

「子どもが独立して部屋が空いたので、リフォームをしたい」という希望は、50代以上のご夫婦に多いケースです。千葉県・Iさんもそうでした。空いた2階の子ども部屋を夫婦別々の寝室や趣味の部屋にリフォームする方法もありますが、生涯、その家に住みたい場合は、1階で生活が完結できるように環境を整えておくことが先決です。

そこで、1階に夫婦の寝室を確保し、狭くて使いづらかった水回りをリフォームすることにしました。浴室は約2畳に広げ、トイレは洗面・脱衣所とつなげて、万一、車いす生活になったときも対応できる広さを確保。キッチンも一方の壁面に作業台を配して使いやすくしました。

現在は、2階の子ども部屋を夫婦別々の寝室として活用。全室に床暖房を入れた1階は、「広々として使い勝手がよくなり、子どもや孫たちが集まる機会も増えました」と喜ばれています。

 

【達人のアイデア CASE2】
持病がある母と同居(神奈川県・Aさん)の場合...

キッチン・リビングにも手すりを配し、動きやすい動線と換気のよい健康な家に

「腰に持病のあるお母さまが、将来、車いすを使うようになっても、元気に楽しく過ごせる家にしたい」。そんな依頼を受けて始まったのが、神奈川県・Aさん宅のリフォームでした。車いすでも快適に過ごせる家とは、寝室からトイレや浴室、リビング・ダイニングへと短い距離で移動できるバリアフリーの家です。そこで、お母さまの寝室からキッチンを中心に、ぐるりと回れる動線を設けました。主要動線の居室の出入り口はすべて引き戸にしてありますから、開閉もラクにできます。

また、料理が趣味でお風呂が好きというお母さまのために、キッチンは動きが少なくてすむコの字形にして、手すりを設置。浴室は庭を眺めながら楽しめるように南側に造設して風の通り道を設け、換気にも配慮しました。

資金に余裕があるならば、自分のこだわりの部分だけはちょっとぜいたくをするのがおすすめです。庭に面した明るい浴室があるだけで、暮らしはガラリと変わります。リビング・ダイニングの手すりは、おしゃれにしたいというAさんの希望で、アーティストの作品を使っていますが、手すり一つでも室内の印象は大きく変わるのです。どんな暮らし方がしたいのか、何にこだわるのか、優先順位をつけておくことが、上手なリフォームにつながります。

【手すり
テラスとの境に設けたおしゃれな手すりは、リビング・ダイニングを広々と見せるアクセントに。将来、車いすを使うようになったときは、取り外しができる。

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【キッチン
リビングの様子がわかるオープンキッチンは、移動がラクにできるようにカウンター部分に手すりを巡らせている。

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椅子に座ってらくに作業ができるように、流しの下はオープンになっている。

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【多目的コーナー
冷蔵庫の横には、洗濯物を座ってたたんだり、趣味を楽しめる多目的コーナーを設置。

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関連記事「義母との同居を開始。徐々に居場所がなくなって...」

<教えてくれた人>
寺林成子さん

S・O PONTE(エスオウ設計事務所)代表。一級建築士、リフォームマネジャー、インテリアプランナーとして自然素材やアート作品を生かした数多くのリフォームを手がける。http://www.aalab.com/soponte

この記事は『毎日が発見』2015年1月号に掲載の記事です。
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