ひきこもり世代に変化が。年齢は徐々に高齢化に
「ひきこもり」とは、学校や職場にうまく適応できず、自宅や自分の部屋から出ない人のことをいいます。家族以外の人とは、ほとんど交流を持ちません。以前は学校でのいじめなどがきっかけで、若者がひきこもるケースが多かったのですが、最近は「ひきこもり」が長期化し、ひきこもる人の高齢化が問題になっています。
「ここ数年、40~50歳代のひきこもりの子どもを持つ家庭からの、生活設計についての相談が急増しています。ひきこもりの原因で多いのは、中学高校時代に不登校からひきこもりになるケースや、就職後に職場に適応できず、ひきこもりになるケースです」と「働けない子どものお金を考える会」代表の畠中雅子さんは話します。
上記のグラフは、島根県が県内の「ひきこもり」の子どもがいる家庭を対象に、調査を行った結果です。ひきこもり期間が10年以上の人が約3分の1に上り、年代別では40歳代が多いことが分かります。「相談に来る親御さんも70歳代以上の人がほとんどです。『将来、子どもが1人で残されたら、生活が成り立たないのではないか』などと思い悩んでいる人も少なくありません」と畠中さん。
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取材・文/松澤ゆかり
<教えてくれた人>
畠中雅子(はたなか・まさこ)さん
ファイナンシャルプランナー。著書は『高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン』(近代セール社)などがある。
畠中雅子(はたなか・まさこ)さん
ファイナンシャルプランナー。著書は『高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン』(近代セール社)などがある。