60代以上のシニア世代のホンネを探る「今どきシニアのホンネ」連載。第9回目は60代以上のお金事情に迫ります。
※2016年11月実施 『毎日が発見』読者モニター調査(109人)より
平均年齢:68.2歳、女性96.4%
前の記事「60代以上の国内・海外旅行事情。その理想と現実は?/今どきシニアのホンネ(8)」はこちら。
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まずは気になる今どきシニア世代の懐事情をお聞きしてみました。
◇預貯金や有価証券(株式・保険など)を合わせると、家庭の金融資産の総額は?
(※土地、住宅、貴金属などの実物資産は含みません)
3000万円~5000万円未満が20%と最も多い結果となりました。今どきシニア世代はかなり貯金している人が多そうですね。一方2位は18%で1000万円未満、次いで1000万円~2000万円未満、2000万円~3000万円未満と続いています。
◇では、生活費も含めてあなたが使う日々のお金はどこから捻出していますか?
グラフより、主な収入源は年金、貯金からと答えた人が大半でしたが、給与所得から費用を出していると回答した人も28%と約3割。かつ、自身の給与所得で日々暮らしている人も全体の約1割程度見られます。
◇では、生活費以外で自由に使えるお金はどれくらいですか?
では自由に使えるお金は?と聞いてみると月々1万円~3万円未満が最も多く39%となりました。次いで多いのが3万円~5万円未満。今どきシニアは無理のない範囲で日々の生活を送り、楽しんでいる様子ですね。
ではその使い道をランキングで見てみましょう
◇生活費以外のお金の使い道は?
1位 自分の趣味や習い事への投資 60%
2位 旅行資金 35%
3位 子や孫へ学資や生活費の援助、お小遣い、プレゼントなど 33%
4位 ファッションなど服飾費 30%
5位 化粧品の購入 27%
6位 美容院、エステ、マッサージなどリラクセーション 25%
7位 観劇、映画鑑賞など、外出してエンターテインメントを楽しむ資金 23%
8位 本・DVDの購入やレンタルなど、自宅でエンターテインメントを楽しむ資金 21%
9位 外食、カラオケなどの交際費 20%
10位 貯蓄や財テク 9%
11位 ギャンブルなどの遊興費 1%
(※複数回答 n=222)
趣味や習い事のお金として使っている人が最も多い結果に。ちなみに趣味や習い事では園芸やガーデニングを楽しむ人が多数でした。(※第7回調査より)
また、子や孫への支援やお小遣いなどに充てていると答えた人が33%。自分より子や孫を優先する姿がここから見て取れそうですね。
そして、ファッションや化粧品、エステなどの美容に使っている人も約3割程度ずつ見られます。今どきシニア世代は仕事や家事が落ち着き、自分へお金と時間を投資できる余裕ができてくる世代ともいえるかもしれません。
また、ランク外のフリーアンサーでは、「ボランティアでの昼食代、おやつ代に使っている」、「親へのプレゼント」、「人付き合いの費用」といった自分以外の誰かへ貢献するお金の使い方をしている人も。また、「サプリメント」「医療費と通院のタクシー代」など健康への投資を挙げているという声も聞こえてきました。
<まとめ>
今回のお金に関する調査では、預貯金などの蓄財額は1000万円以上が大多数な一方、自由に使うお金は1万円~3万円程度という割につつましやかな側面も見て取れました。
使うとところには使い、日々の生活は必要な分だけ...といったメリハリあるお金の使い方をするのが、今どきシニア世代のお金の使い方ともいえるのかもしれませんね。
次回は今どきシニアのITデバイス事情に迫ります。
文/中島典子