<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と二人で旅行を楽しむのが趣味の、主婦です。
2022年8月、父(75歳)が地元のミニバスケットボールチームの練習を見学しに行ったときのことです。
過去にコーチ経験がある父は、現コーチ(30代)から、試合が近い子どもたちへ向けてアドバイスを求められました。
そこで父は、指でVサインを作りながら「サインはVや!」と、胸を張って子どもたちに言ったそうです。
分かる人には分かるでしょうが、昭和のスポ根アニメの超有名なフレーズです。
恐らく昭和だったらウケたのでしょう。
しかし、時代は令和、さすがにもう古すぎます。
さらに、このアニメのテーマはバレーボールです。
当然、コーチも含め、みんな意味が分からず無反応。
場はシーンと静まり返ったそうで、完全にスベった父。
帰宅した父が母(76歳)にその話をすると、母も呆れながら「『サインはV』なんて、いまどきの小学生たちが知っているわけないでしょうに~」と一蹴。
たまたま帰省中で一緒に聞いていた私は、父が張り切ってVサインを作った姿と冷え切ったその場の雰囲気を想像し、爆笑してしまいました。
昔流行ったフレーズが無意識のうちに口から出るのは、「親世代あるある」なのでしょうか。
父もそういうことに気付かない年齢になったのだなあ、としみじみ。
それはさておき、この話はこれで終わりません。
母は何を思ったのか、「いまの子どもたちには、『サインはV6』って言わないと」とまさかの意味不明アドバイス。
予期せぬ母の発言に、私は絶句してしまいました。
母の口からアイドルグループの名前が出てくること自体珍しいのですが、実は以前、V6の某メンバーの実家とご近所さんだったため、V6だけはよく知っているのです。
母は唖然とする私の隣で、張り切ってVサインを作って、『サインはV6』を連呼する始末。
そして父も「サインはV6か、なるほど」と、なぜか納得しています。
「いや、いや。いや、いや、いや!」とさすがの私も黙っていられません。
『サインはV6』なんて完全に意味不明です。
盛り上がる両親たちに対して、ツッコミをいれないと落ち着きません。
「それなら、サインは何がいいのかしらね~」と母。
「いまの小学生に響くサインは何やろな~」と父は「サインは~」のフレーズにこだわります。
「いや、そのフレーズは忘れていいから」と説得する私。
そのときです。
何かを閃いた父は誇らしげに胸を張って言い放ったのです。
「サインは『諦めたらそこで試合終了』、どや!」
父がコーチをしていた頃、子どもたちの間で流行っていた超人気バスケ漫画のフレーズを思い出したようです...。
自信満々のドヤ顔で私を見ている父。
2022年末になって劇場版が公開されたバスケ漫画ですから、バスケットをやっている子どもなら通じるでしょうし、悪くないとは思うのですが。
でも、父の頭の中からは結局、「サインは~」からは離れられないようです。
ミニバスケットボールチームのコーチ、選手のみなさま、うちの父がお粗末さまです。
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