<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ともこ
性別:女
年齢:56
プロフィール:56歳の独身で、少し認知の症状のある88歳の母と二人暮らしです。そこに突然現れた5歳の男の子に困りました。
去年の11月のことでした。夜10時過ぎ外出先から自宅に戻りリビングに入ると、ソファーに座っている母の隣に5歳になる男の子が一緒に座っていました。この男の子を見るのはこれが3度目。またかと思いました。
男の子に初めて会ったのは、去年の4月。母と私がリビングのソファーに座って、テレビを見ていた午前中のことです。リビングのガラス戸を突然ドンドンと叩く音がして、びっくりして覗き込むと小さな男の子が泣きながら佇んでいました。
すぐに戸を開けてどうしたのかと尋ねると「お母さんがいない」と言うのです。「お母さんは、どこに行ったのかな?」と聞くと「お仕事」。とりあえず、部屋の中に入れ、名前や年齢、自宅はどこかといった質問をしました。
名前はゆう君、年齢は5歳。私が住んでいるアパートの横側の40台程停められる広々とした駐車場の向こうのアパートに住んでいるとのことでした。とりあえず、家に帰ろうかとゆう君の手をとり自宅まで送ったのですが、確かに声掛けしても誰もいない様子。正直5歳の子を一人置いて仕事に行けるものかと思いました。
すると、ゆう君は母親の電話番号を知っていると言うので、私の携帯から母親に電話。もちろん、私は自分の名前と住所を告げ、経緯を説明したら、「すみません。もうすぐ帰りますから、家にいるように言ってください」と言われました。そしてゆう君にかわり、母親と話をしたゆう君は、素直に自分の家に入って行きました。
それから3カ月後の夏にもまったく同じことがありました。
そして、またもや今回。しかし、以前は2回とも昼間で、今回は夜遅くです。事情を聞くと、「起きたら誰もいなくて、怖かったから」とのこと。母親は、父親が直ぐに帰って来るからと言って仕事に行ったそうなので、じゃあ一緒に帰ってみようと、自宅に送るも誰もいない様子。
ですが、母親に電話しようとゆう君にいうと、怒られるから絶対嫌だと言い張り電話番号を教えてくれません。どうしようもなく、ゆう君といろいろ会話をしながら外で父親の帰りを待つことになりました。
いつも一人なのかと聞くと、いつもは兄(6歳)と妹(3歳)と一緒だそう。ですが今日は兄と妹は祖母の所だそうで、なぜゆう君も一緒に行かなかったのかと聞くと、それは知らないというのです。意味が分かりません。
1時間たっても父親が帰る様子もなく、時間は夜の11時半。こんなに遅い時間に5歳になる子供を一人にしておく母親の神経にイライラしてきました。私も明日は仕事で朝が早いし、直ぐにでも帰りたいと思うも、このまま放っておくわけにいきません。
知人にメールで相談したら、警察に届け母親に思い知らせるしかないよといわれました。そこまで騒ぎにしていいものかと迷っていたら、ゆう君と同じ棟に住む若いご夫婦が出先から帰ってきたので、思い切って声を掛けしてみました。
そのご夫婦がいうには、ゆう君の母親とは挨拶程度で、父親の存在を見たことはなく、母親はスナックで働かれているのではとのこと。ゆう君は、母親の電話番号をがんとして言わなかったのですが、旦那さんの方が「言わないなら、警察に届けるよ」と説得して、やっと電話番号を教えてくれました。
旦那さんが母親に電話をして話をしてくれ、その後旦那さんが「もう帰られていいですよ」と言われたので、私はやっと解放されました。
1度ならず、2度、3度も見知らぬ他人に迷惑を掛けておきながら、未だに面識のない母親からは、「すみませんでした」の一言もありません。
子供に罪はありません。今後も何も起こらなければいいと願うばかりです。
関連記事:高齢で病弱な母に孫の面倒を丸投げ! 漫画を読みふける姉が許せない
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。