「高卒程度のオバハンの話は聞きたくない」不良少年の親からまさかの暴言を浴びせられ.../かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

息子の通う高校でPTAの会長に選出された時のお話です。

【前回】「PTA会長からどうかお口添えを」学費を心配して泣き崩れる母。力になってあげたいけれど...

「高卒程度のオバハンの話は聞きたくない」不良少年の親からまさかの暴言を浴びせられ.../かづ pixta_83382638_S.jpg

そろそろ1学期が終わろうとしていた頃だった。

高校近くの銀行に用があり、駐車場に車を停めた時だった。

いきなり窓をノックされたので顔を向けると、うちの近所のHさんだった。

なぜこんなところで?

車から出ると、満面の笑みでHさんはこう言った。

「こんにちはー!良かったー会えてー!ねえねえ、かづさんって会長さんなんやねぇ!入学式でかづさんがご挨拶したからびっくりして!うちの子、同じ高校に入ったんよ!ほら、うちの子って色々あったやん?だから心配やったんやけど、かづさんのとこの子が行ってるんやったらと思ったら安心したわぁ!これから色々とお世話になるのでよろしくね!」

うちの子が行ってる高校なら安心ってどう言う意味だ?

銀行の閉店時間が迫っていたので、挨拶もそこそこにしてHさんとは別れた。

あの子が入って来てたんだと、胸がざわついた。

Hさんの子どもが小学校低学年の頃、うちの子を入れて数人の子どもの前でこんな事を言った。

「お前らの父さん仕事なんや!?オレとこの父さんは社長や!お前らの父さんは平やろ!」

私や周りにいるお母さんたちは突然な事でびっくりしたが、H君は引き続き自分の父親が社長だと言う事を自慢たらたらで威張りだした。

一緒にいたお母さんたちの誰もそれを注意しないし止めようとしないので、思わず私が声を出した。

「あのねH君!あんたのお父さんが社長やからって、それをあんたが威張る事じゃないでしょ? H君が社長や無いんやから!社長のお父さんが言うならまだしも、あんたはみんなと同じ小学生でしょ?威張りたかったら自分が社長になってから威張れば?」

私もいささか大人げないと思ったが、息子を含め周りに一緒にいた子どもたちが引け目を感じているように見えたのだ。

「どこのお父さんも一生懸命お仕事してくれて、みんな偉いんやから!」

私がそう言うとH君はムッとした顔をして睨みつけてきたが、子どもたちの顔が少し明るくなった。

「小学生やのに、あんな事言うんやねぇ!ビックリした!」

「あれってお家で親が子どもの前で言うてるからやろか?」

「うちのお父さんは社長やから他のお父さんより偉いって?」

子どもたちが離れた途端、お母さんたちは口々にそう言った。

その後も、我が儘だの自分勝手だの甘やかされているだのとH君の噂は少なからず耳に入ったが、学年が違っていたのでほぼ接点は無かった。

ところがそのH君が中学生になった頃、夕方遅くにHさんから電話が掛かってきたことがあった。

そんなに親しいわけでもないのに?と不審に思った。

「かづさん、ちょっと相談があるんやけど...。かづさんって青少年のなんやらって言うのやってるんやろ?」

当時私はボランティアで、非行少年少女育成活動のお手伝いのような事をしていた。

不登校の子のお宅に家庭訪問をしたり、家に帰りたくないと言う子は自宅に呼んで一緒にご飯を作って食べ、泊めたりもしていた。(もちろん保護者に連絡済みで)

内心正直言って「あの子かぁ...」とは思った。

「どんなお話しですか?」

「うちの子、悪いって噂聞いてるでしょ?学校には行かへんし、家にも帰って来んしで困ってるんよ。なんとか本人に話ししてくれへんやろか?」

そう言われたからと言って二つ返事で引き受けはしない。

「あのですね、これは皆さんにお願いしているんですが、お子さんに話をした上で、学校に行けやら生活態度を改めろや色々約束事をするんですけど、その時に親御さんとも色々お約束をしてもらう事があるんです」

「えっ?私らもですか?」

「そうです。子どもは色々不満があります。もちろん理不尽な内容やったら『それはあんたが悪い』って言いますけど、『そりゃ親もなんとか改めなあかんのと違うか?』って場合もあります。その時に、両親の足並みが揃っていないと、子どもには響きません。いくらお母さんと話しをして約束しても、お父さんが『そんな事出来るか!』やったら子どもも約束は守りません。ですから、私が話しに行く時は、ご両親揃っていてほしいんです」

「わかりました...。主人に聞いてまたご連絡します...」

いくら母親と約束しても、父親が逆の事を言ったり混ぜ返すような事をされると子どもは親を信じられなくなる。

もちろん逆もしかりで、母親が約束をあっさりと反故にしてしまう事もある。

両親共に共通認識を持っていてもらわないと困るのだ。

数日後、再びHさんから電話があった。

「あの~。主人とどうしても話さないとダメですか~?」

「お母さんといくら話をした所で、子育てに対する全ての決定権を持っている訳では有りませんでしょ?キチンと話しをして、決める事を決めて、お子さんも納得した上で進めたとしても、途中でお父さんから横槍が入ると困るんです。お子さんの事は、ご両親で一つの方針を立てて関わって頂けないと、お子さんはどうしても甘い方になびきます。そして、厳しい方を批判的に見てしまいます。『お父さんがイイって言った』なんて言われては、元も子もないんです」

「主人が...あなたと会う事にチョット...」

「私が何か??」

「たかが高卒程度のオバハンの話は聞きたくないって言うんです...」

正直なのかバカなのか。

更に「資格も無い世話焼きオバハンの言う事を、なんで聞かなきゃならん?って言うんです...」

喧嘩売っとんのか??

結局H君とは二人で会う事になった。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の60代。子育てが終わり、夫と愛猫小鉄と暮らしている結婚40年超えです。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いや、ママ友にPTA等を思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

【かづさんの連載が漫画になりました!】


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