「40代の女性です。糖尿病の改善のため、食事管理に取り組む母。料理が大雑把だった母の意識を変えたのは、あるトラウマ体験がありました」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■糖尿病は食事管理が大切。糖尿病教室って何?
私(47歳)の母(77歳)は糖尿病で、日々食事管理に取り組んでいます。
料理の際には、「穀類」「魚介・肉・チーズ類」「脂質」などの栄養素別に分類された、食品交換表というものを利用しています。
食品それぞれが1単位80kcalで分類されており、自身が1日に必要な摂取カロリーを目安にして、それぞれのカテゴリーから選択した食品をバランスよく組み合わせて調理します。
たとえば、食パンだと1/2枚、卵だと1個が約80kcalとなります。
母はもともと料理が大雑把な人で、面倒な作業も苦手なタイプ。
そんな母が食事管理に真面目に取り組むようになったのには、あるきっかけがありました。
母は2018年頃、糖尿病に起因する疾患を発症し、2週間ほど入院しました。
その際、病院から糖尿病教室を勧められて参加することに。
糖尿病教室というのは、糖尿病への理解を深め、生活習慣や食生活の改善に役立てる知識を得るための教室です。
期間は2週間で、病院に入院しながら学習カリキュラムをこなします。
専用のテキストも用意されており、時間割りに合わせて担当の医師のところへ行き、講義を受けるといった感じです。
■母を目覚めさせてくれた医師に感謝
その糖尿病教室で母は「トラウマ的な体験」をしたとのこと。
糖尿病教室には10名ほどの参加者がおり、講義はテキストを使いながら医師が説明するというものでした。
しかし、学習自体が苦手だった母は、手元のテキストを開くだけでただボーっとしていたそうです。
すると、やる気のない母の姿が目に留まったのか、医師は突然母を指名。
説明したばかりの部分に関する質問をしたそうです。
右から左へと話が筒抜け状態だった母は、一気に青ざめたそう。
その時の質問内容は「インスリンを分泌するのはどの臓器か?」というもので、答えは「すい臓」です。
母はパニックになり、とりあえず「胃、肺、腎臓、肝臓...」などと、ワンチャン狙いで頭に浮かんだ臓器の名前を述べたそうです。
しかし、当然すべて不正解。
医師の話を聞いていなかったのが明白で、とんだ赤っ恥をかいたのです。
「分からなかったんなら、わかりませんって言えばよかったのに」
「だって、話を聞いていなかったことがバレるじゃない」
妙な言い訳をする母、そして「すい臓なんてパッて頭に浮かぶわけないじゃないね」と不満顔をするので呆れました。
しかし、その大恥をかいた件が幸いし、母は優良生徒へと生まれ変わりました。
テキストの重要なポイントには赤線を引き、隅に書き込みをするなど、真面目に講義に取り組んでいました。
本人も知識を得るにつれて学ぶことの楽しさを実感したようで、とても充実した2週間になったようです。
そして現在に至るまで、学んだ通りの食事管理を順調に行っています。
「頭を使いながら食事を作るのは楽しい」と頼もしい言葉まで。
このままずっと続けてほしいものです。
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