アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
【前回】息子の高校のPTA役員になった私。任期途中から加わったのに突然副会長に指名されて
息子の高校のPTA役員は1年生入学時に選出され、3年間の任期だ。
私は役員ではなかったのだが、先生の薦めもあり2年生から役員に加わることになった。
指定された時間にP会議室に行くと既に役職が決められていて、2年の副会長だと言われて驚きを隠せない。
2年の副会長と言うのだから、てっきり各学年に副会長がいるのかと思ったらそうではなく、副会長は私一人だけだった。
P会議室には想像以上に人数がいたが、それは既にお子さんが卒業したものの総会までは役員と言う事で新旧の役員がいたから大勢だったのだ。
座るように言われた席には「副会長 ○○かづ」と書かれてあるネームカードが立てられていて、それも結構上座に近い場所だったので居づらい居づらい。
同じ2年の役員だという方たちの目に比べて、総会で退任される方達と現3年生役員達の視線が突き刺さるようだった。
そりゃあ1年間本部役員どころか各種委員会の委員でもなかった奴がいきなりポンと入ってきて副会長になるなんて、「誰だこいつ?」ってなもんだ。
皆さん就任は入学時で任期3年で引き受けて来てるので、途中で追加があるなんてと想定していなかったのだろう。
その中でも男性役員は2名いて、1名は3年で新会長、もう1名は同じ2年で監査だという。
それにしても気のせいか、新会長以外の現3年役員達からの視線が痛い。
新会長はニコニコとした笑顔で私を見て、「よろしくね」と軽く声をかけてくれた。
見たところ50代か。
会議の内容はと言うと、私が来るまでに全ての総会準備や打ち合わせの話は終わっていて、私は単に顔合わせに呼ばれた様だった。
最初に私を紹介してくれたのは次の総会で退任する会長の米沢さんといい、スーツをビシッと決めたこれぞ会長! という感じの方だった。
「では今日はこれで。次は当日でよろしく」
米沢さんがそう言うと皆が一斉に席を立ち、片付けてP会議室から出て行く。
私もそれに続くようにP会議室を出たら、偶然そこに数人の先生が職員室に戻るところだったらしく出くわした。
その中に2人知っている先生がいて、私の顔を見て手を上げて声をかけてくれた。
「おー! なんや!? ん? あー! 今子どもここに来てるんやったな!」
「PTAの役員さんやの? ご苦労様やね♪」
「お世話になってます! また色々とよろしくお願いします」
そうご挨拶して先生方が去った瞬間、後ろから声をかけられた。
「お知り合い??」
振り向いたら退任組数名と新3年役員数名が立っていた。
声をかけて来たのは新3年役員の川上さんだった。
「ええ、○○先生は私が3年の時の家庭科の先生で、△△先生は生徒会やなんやでお世話になった先生です」
私は懐かしい先生の顔が見れたので、嬉しくて満面の笑みでそう答えた。
けれども皆さんの目が笑っておらず、どこか睨みつけられているように感じた。
私...、何かしましたか?
「ふ~~~ん」
川上さん達はそう言いながら私の前を通り過ぎて行った。
「新3年のボスはこいつかぁ...」
私は今まで数々の役員をしてきた経験上、時代劇の大奥の様なこの手の雰囲気には慣れていたので瞬時にそう思った。
川上さん達の後ろを見送っていた私の前に、今度は後藤先生がやってきた。
後藤先生は私の体育の先生だった。
私は当時自ら立候補して体育委員になったくらい後藤先生が大好きだった。
「おお! 髪ちゃんとして来てるやないか! ええこっちゃ!」
「私もやる時にはやるんですよー!」
そう、それまで私の髪は金髪だったのだが、高校のPTA役員というのでさすがにこれじゃああかんやろうと思って黒に染め直して来たのだ。
気が付くと、川上さん達一同がこちらを向いて睨んでいた。
私の波乱に満ちた今後の役員生活の幕開けだった。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。