アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
【前回】「聞いてほしいことがあるの」同窓会以来、急接近してきた友人の「あきれた相談事」/かづ
同窓会がきっかけで頻繁に電話をしてくるようになった典子。
その内容は主に結婚式のことや新居についての報告だった。
典子から電話が掛かってくるようになってから、典子にはこの手の電話をかける友達がいないのだと思った。
なぜなら、決して私は典子の話に同調するタイプではないので、当然耳障りの悪いことも言う。
こちらとしては、それで気分を悪くして二度と電話が掛かって来なくなってもかまわないと思っているし、むしろお上手を言う必要も無い上に自分自身ストレスを溜め込む様なこともしたくない。
それなのに典子は電話を掛け続けてくるのだ。
必要以上に嫌なことを言うような意地悪はしないが、歯に衣着せぬ物言いをするのが私なので、それでも小まめに電話を掛けてくる典子は、そういう事なのだろう。
結局典子の彼は同居を飲み、無事に結婚式を挙げた。
これで一段落かと思っていたが、結婚してからというもの典子は愚痴ばかりの電話をして来るようになった。
その愚痴の内容には呆れる事ばかりだった。
まず、生活費も家賃も要らない上に家事全てを典子の母親がやってくれているというのに、夫が全く誠意がないと言う。
誠意がない?? 具体的には? と聞いてみた。
「それだけうちの親に世話になってるんやったら、もっと態度で示すもんやないの?」
典子の言う【誠意】が、これまた驚きだった。
「うち犬飼ってるんやんか。それを毎朝父親が散歩に連れて行くんやけど、それを夫がやってくれてもええと思わん? むしろ『僕が行きます』って言うもんやない? 朝はうちの母親が作ってくれたご飯食べて出勤して、帰ってきたらうちの母親が作ってくれた晩ご飯食べて、うちの母親が沸かしてくれた風呂入って寝るだけやねん! どー思う!?」
は? おい、ちょっと待て!
「えっ? それで典子は毎日何をやってんのよ?」
「私? 毎日普通にしてんで?」
「いや普通って...。旦那さんお仕事行ってんのやろ? あんたは家にいてて、家事は全部親がやってくれてるんなら、犬の散歩なんかあんたが行ったらええんちゃうん?」
「なんでよ⁉ 生活費も家賃も親が払ってくれてんねんで? 普通なら夫が払うもんやん? それを払ってくれてるんやから、夫が誠意として自分から『やります』って言うもんちゃうん⁉」
「いやいや、あんたら結婚してもう夫婦やん。ご主人が会社行って働いてくれてんのやったら、あんたが他の事をカバーするもんちゃうの?」
「えっ? なんで? 世話になってんのはうちの親なんやで? 妻の親の世話になってるんやから、夫がするもんやん」
「いや、だーかーらー、世話になってんのはご主人だけやなく、あんたら夫婦が世話になってるんやろ? 世話になってんのはご主人だけやと思っとるん? あんたもう結婚してご主人の奥さんになってんねんで? それを夫婦で親の世話になってんのやから、なんであんたは何にもせぇへんのよ。ご主人が無職でプー太郎やというならいざ知らず、ちゃんと毎日会社行ってんのやろ? あんた、まだ娘さんのつもりでいるんかいな⁉」
「でもうちの父親も『犬の散歩行きましょかくらい、あいつは言わんのか!!』って言うで?」
「そこであんたが『私が行くわ。夫婦で世話になってるんやし』って言わなあかんわ」
典子が言うには、『妻の実家に世話になっている』と言う態度が夫には見られないといい、典子の両親からも『(典子の夫は)同居している自覚がない』と言われているので、毎日夫の態度にイライラすると言う。
「でも同居が条件っていうのはあんたの方が言うたんやろ? それをご主人が飲んでくれたんやろ? 感謝せなあかんのはあんたの方なんちゃうの?」
話を深く聞いていると、典子の両親は同居を条件にはしたが、それを飲んでまで娘と結婚したかったんだという認識らしく、それならば現在世話になっている妻の両親に感謝の態度をとるもんだろうと怒っているらしい。
要は典子家としては「一人娘との結婚を認めてやったんだ」という立場なので、「結婚を認めていただいた」側である夫は妻の両親に仕えて当然だと思っている。
「親だけじゃなく、私も夫の気のつかえなさに腹が立ってるんよ!」
同居も飲んでくれて仕事もきちんと行っている夫に、何が腹の立つことがあるのか。
「朝、会社に行く前に布団を押し入れに片付けて行かへんねん!」
受話器を耳にしながら、典子も私と同い年の四十路前だったよなと頭に?マークが浮かんだ。
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